2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07371
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
甲斐 昌一 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
OSCAR Cespedes・Boldoba 九州大学, 大学院・工学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | アルツハイマー病 / 磁気ナノ粒子 / 生体電磁気学 / 分子ダイナミックス / 医用生体工学 / アミロイドーシス / フェリチン |
Research Abstract |
次の3項目に焦点を当てて研究を行った。(1)高周波RF磁場のフェリチンへの作用機構、(2)アルツハイマー病の治療を目的として、アミロイド蛋白沈着過程、すなわち、アミロイドーシス過程に対する磁気ナノ粒子とRF磁場の影響、それに、(3)磁気ナノ粒子を蛍光イメージングに応用する基礎研究である。(1)については、鉄キレートのフェロジンを介して鉄貯蔵蛋白フェリチンからの鉄の放出とフェリチンへの鉄の取り込みが、1MHz、30μTのRF磁場により、1/3倍変化することを見出した。この効果は、RF磁場の周波数と振幅の積に依存して変化すること、また、6-ハイドロキシ・ドーパミンなどの鉄還元剤により消失すること、更に、フェロジンが通過するゲートの周りの分子の電荷の分布が負の場合は、鉄の放出がRF磁場により1/3に減少するが、電荷が中性になると1.3倍に増加することを明らかにした。すなわち、RF磁場の効果はフェロジンが通過するゲートの周りの分子の電荷分布の変化によるものであると考えられる。(2)システインとペプチドブレーカiAβ5を磁気ナノ粒子に結合させて、その機能をFe-O波長帯(1000-2000cm^<-1>)でのフーリエ変換近赤外分光法により評価した。しかし、Aβ1-40の凝固が少なすぎて、評価することが出来なかった。この問題を解決するために、迅速な凝固速度を有するトリフルオロアセチルパウダーのAβ1-42アミロイドとHClパウダーのAβ1-40アミロイドのサンプルを入手した。(3)磁気ナノ粒子の蛍光イメージングでは、磁気ナノ粒子が390nmでの最大吸光と460nmでの最大エミッションを持つ可視光帯の蛍光特性がイメージングに応用できることを明らかにした。蛍光の寿命は8μSと250μSであり、これらは、nsオーダの寿命の化学蛍光に比べて十分長い。
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Research Products
(1 results)