2008 Fiscal Year Annual Research Report
弱サブクール状態の超流動ヘリウムに現れる異常に高い熱伝達率を持つ膜沸騰現象の解明
Project/Area Number |
07J02649
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高田 卓 University of Tsukuba, 大学院・システム情報工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 超流動ヘリウム / 可視化 / 膜沸騰 / 過熱 / 不安定性 |
Research Abstract |
本年度は主に細線ヒータによる膜沸騰時の蒸気膜厚さの計測、蒸気相のNu数評価、蒸気膜厚さを決定するパラメータ等について実験し、調査した。大気圧〜飽和蒸気圧までのHeII膜沸騰の状態を観察した実験はこれまでにもあったが、細線ヒータ周りの膜沸騰状態について可視化観測ヒータ温度計測をしたものこれまでに無く、細線周りの沸騰という幾何学的に単純な円筒座標で示すことの出来る系で、実験を行うことは重要であり、現象の物理を明らかにする上で重要な基礎実験の役割を果たすものである。これまで、平板ヒータ上で観察されたHeII中の4つの膜沸騰モードはヒータ形状が著しく変わったにも関わらず、観察された。更に、平板ヒータ実験では明らかに出来なかった、安定沸騰モード中のレーリーテイラー不安定の出現や特定の領域でのみ観察されるコルゲート管状の蒸気膜を形成する不安定モードなどが新たに明らかになった。そして、沸騰モード分岐の境界においては大幅な変化が見られ、特に2.0K以下では、平板ヒータ上で観測されていた弱サブクール膜沸騰モードが観測されなくなるなどの大幅な変化が見られた。しかしながらこの効果についても細線ヒータにおける膜沸騰のハイスピードカメラによる計測、ヒータ温度の同時計測により、気液界面を貫く熱流束を基準に沸騰モードマップの再構築をすることで、更なる理解へとつながりを見せている。
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Research Products
(5 results)