2008 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエを用いたASKファミリー分子によるストレス受容メカニズムの解析
Project/Area Number |
07J02772
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関根 悠介 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ASK1 / ショウジョウバエ / p38 / ストレス応答 |
Research Abstract |
ショウジョウバエ遺伝学的スクリーニングによりASK1活性化因子として同定されたKUMA1について主に分子生物学的な観点から解析を行った。まずほ乳類KUMA1についてプルダウン法により結合分子の同定を試みた。産総研・夏目徹先生、家村俊一郎先生との共同研究によりHEK293細胞に発現させたFlag-KUMA1のプルダウンを行い、その結合分子を質量分析計により同定した。その結果、興味深いことに、KUMA1の結合分子として、ユビキチンE3リガーゼ複合体として知られているCullin2複合体の構成因子が多く得られた。Cullin2複合体は、複合体全体の足場分子として働くCullin2、RINGドメインを持ちE3リガーゼ酵素活性を有するRbx1、基質特異性を決定する基質認識タンパク質、Cullin2と基質認識タンパク質とのアダプターとなるelongin Bおよびelongin C、さらにCullinに共有結合しCullin複合体のリガーゼ活性を調節するNedd8からなる。このうちCullin2、Rbx1、elongin C、Nedd8が結合分子として同定された。KUMA1は一次配列上Kelchリピートドメインからなるという特徴をもつが、実際Cullin2複合体の基質認識タンパク質としてKelchリピートドメインやWD40リピートドメインなどタンパク質問相互作用ドメインを持つタンパク質が複数同定されている。さらに、これら分子との配列比較からKUMA1のC末端領域にCullin2およびelongin Cとの結合に重要なコンセンサス配列が見つかったことから、KUMA1はCullin2の基質認識タンパク質であると仮説をたてて実験を行った。Flag-KUMA1をHEK293細胞に過剰発現させ、免疫沈降実験を行ったところ、Flag-KUMA1と内在性Cullin2の結合が検出された。この結合は、KUMA1のC末端領域のCullin2およびelonginCとの結合に重要なコンセンサス配列を欠失させた変異体の過剰発現では検出できなかった。よってKUMA1はC末端で、elongin Cとの結合を介して、Cullin2と結合していることが示唆された。
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Research Products
(3 results)