2007 Fiscal Year Annual Research Report
周期とL函数,多重ガンマ函数の関係とそのp進類似,及び関連する数論的諸問題
Project/Area Number |
07J02886
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加塩 朋和 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員PD
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Keywords | 整数論 / L関数 / 周期 / p進L関数 / p進周期 / ガンマ関数 / p進ガンマ関数 / スターク予想 |
Research Abstract |
申請者の研究内容は吉田敬之氏の「絶対CM周期記号」に関する予想に関係している。Γ関数の有理数点での値は幾何学的な周期積分の値として解釈できる。これをBarnesの多重Γ関数に一般化した予想式が吉田氏の主結果である。申請者は数年前から吉田氏と共同研究しこの理論のp進類似を求めてきた。以下が平成19年度における研究成果の概要である。吉田氏との共同研究に一区切りをつける形で共著論文を完成させ雑誌にも受理された。またこの続編も現在提出中である。前者において我々は吉田氏の「絶対CM周期記号」のp進類似である「p進絶対CM周期記号」を定義した。これは多重Γ関数をp進多重Γ関数に置き換えることにより定義され、幾何学的なp進周期積分の値と関係すると期待される。しかしここでは「p-ordinarity」という条件を課したため、求めるp進周期は退化し代数的数となる。(幾何的周期はある大切な値の超越数部分を与えると予想され、超越数であることが期待される。)よってこれは吉田氏の理論よりStark予想のp進類似に近い。一方後者では「p-ordinarity」という制限を外し、真に吉田予想のp進類似と言える理論を形成した。このためにp進周期積分を与える「幾何の理論=CMモチーフの理論」を整理し、そのp進周期積分に関するいくつかの補題を示した。また我々の主結果は「p進絶対CM周期記号」をp進周期積分の商で表した予想式である。これらを論文にまとめると共に、各地でこの内容に関する講演を行いその報告集も提出した。更に派生した研究結果に関する講演を行った。更に最近の目覚ましい理論の発展を取り入れるため、「R=T理論」と周辺の理論群を学ぶ必要を感じ、関連する研究を始めている。
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Research Products
(6 results)