2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内動態解析に基づいた樹状細胞選択的DNAワクチンの開発
Project/Area Number |
07J03317
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中村 孝司 Hokkaido University, 大学院・生命科学院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | リポソーム / 粘膜免疫 / パイエル板 / 経口ワクチン |
Research Abstract |
本年度は、抗原タンパク質を封入したオクタアルギニン(R8)修飾リポソームのin vivoにおける抗腫瘍効果評価と腸管における粘膜免疫誘導を目指した経口ワクチンキャリアーの構築を行った。 1、R8修飾リポソームのin vivo抗腫瘍効果 前年度(平成19年度)、抗原タンパク質を封入したリポソーム表面に膜透過性ペプチドであるR8を修飾することで、樹状細胞の細胞質に効率よく抗原を送り込み、MHCクラスIに提示できることを明らかにした。本年度では、in vivoにおける細胞性免液誘導の評価として、抗腫瘍活性を調べた。その結果、抗原を封入したR8修飾リポソームで免疫したマウス群は、未処理のマウス群と比較して著しい腫瘍増殖抑制が認められた。このことから、R8修飾リポソームは、抗腫瘍ワクチンキャリアーとして有用であることが示された(Nakamura et al.Molecular Therapy)。 2、腸管における粘膜免疫誘導を目指した経口ワクチンキャリアーの構築 前年度(平成19年度)、試験管内の胃・腸内環境において比較的安定なリポソームキャリアーの構築に成功したが、腸内環境における粒子径の増大といった課題があった。本年度では、リポソームに機能性素子を搭載することで、胃・腸内環境においても殆ど物性の変化しないリポソームキャリアーの構築に成功した。このリポソームを経口投与して、腸管における体内動態を調べた結果、パイエル板や絨毛への送達が認められた。
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Research Products
(3 results)