2007 Fiscal Year Annual Research Report
ATLL発症における分子メカニズムの解析と多分葉核形成誘導の解析
Project/Area Number |
07J04715
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
福田 隆一 Tokyo University of Science, 基礎工学部・生物工学科, 特別研究員(DCZ)
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Keywords | PI3キナーゼ / HTLV-I / p40Tax / PTEN / SHIP-1 |
Research Abstract |
本研究課題では、p40TaxによるNF-κB経路を介したPTEN制御のメカニズムについて解析をおこなった。 p40TaxはNF-κB経路の活性化に関与することが知られているため、NF-κB-binding motifを有するレポーターアッセイ系を構築し、p40TaxによりNF-κBが活性されることを明らかにした。また、抗NF-κB抗体によりNF-κBが活性化し、核内移行することも認めた。一方、p53経路について、p53活性が認められなかったため、NF-κB経路に着目して、解析を行った。 p40TaxのPTENに対する影響を解析したところ、PTEN mRNA、並びにタンパク質発現が抑制された。 p40Taxの下流でNF-κBが活性化されることから、NF-κB経路の活性化機能が欠損したp40Tax変異体を作製し解析をおこなったところ、野生型のp40Taxと比較してPTENの抑制活性が低いことを示した。 NF-κB経路によるPTEN発現への影響を解析するため、活性化NF-κBであるp65を発現させるとPTEN mRNA発現を抑制した。 p40TaxによるNF-κB活性化経路を阻害するため、IκB変異体を共発現させた系で解析をおこなったところ、p40TaxによるPTNE抑制効果が起こらなかった。 これらのことから、p40TaxはNF-κBを活性化させることで、PTNEのmRNA発現を抑制するという新たな経路を明らかにした。以上の研究成果から、本研究課題は研究計画項目を達成すると共に、詳細な経路を明らかにすることができたため、現在、論文投稿の準備中である。
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Research Products
(5 results)