2007 Fiscal Year Annual Research Report
Toll様受容体リガンドにより誘導される2相性サイトカイン生産の免疫学的意義
Project/Area Number |
07J04721
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
桑島 精一 Akita University, 医学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 樹状細胞(DC) / CpG / IL-15 / IL-12 / IRF-3 / IFN-α / TRAIL / apoptosis |
Research Abstract |
これまでに、野生型マウスにCpGを投与すると6時間後と48時間後に二つのピークをもってIL-12が生産され、24時間後にIL-15が生産されること、免疫学的に重要な活性を示すものは48時間後にみられる第ニピークでありIL-15の生産に依存していることをそれぞれ見出してきた。そこで新たにIL-12生産の第一ピークの免疫学的意義を検討すべく、生体内でのCpGによるIL-15生産を検計したところ、IL-12^<-/->マウスにおいてcpGによるIL-15の生産が低下していた。またIL-15の誘導に重要なIRF-3を欠損したIRF-3^<-/->マウスにおいても、同様にCpGによるIL-15の生産が著しく減少していた。次にCpG刺激によるIRF-3の活性化が、IL-12によって誘導されているのかを検討した。CpG刺激後IL-15の生産細胞である野生型マウス由来の樹状細胞(以下DC)、IL-12^<-/->マウス由来のDCのどちらにおいてもIRF-3の活性化(二量体化)が起きていることを確認した。このことは先のIL-15の生産減少と合わないため、IRF-3の核内移行について検討した。野生型マウス由来のDCではCpGによるIRF-3の核内移行が確認できたが、IL-12^<-/->マウス由来のDCにおいては核内移行がみられなかった。以上のことからCpGによるDCからのIL-15の生産には、IL-12に依存したIRF-3の核内移行が重要であることが分かった。また、課題研究進行中にTRAILに依存したapoptosisによる免疫系の制御機構を新たに見出したので、概略を以下に述べる。生体内でインフルエンザウイルスの刺激を受けたpDCは、IFN-αを生産し免疫系を活性化する。IFN-αはその一方でapoptosis誘導分子であるTRAILとDR5を誘導して、活性化した免疫系に終焉をもたらしていた。TRAIL^<-/->マウスにインフルエンザを感染させると、IFN-αが生産されるがDCのapoptosisが誘導されずサイトカインストーム現象が見られ、また感染後の肺では強い炎症像が確認され、これらと相関してマウス個体の生存率は著しく低下していた(Nature.投稿中)。
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Research Products
(5 results)