2007 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類精子細胞の受精および運動に関わす分子に関する研究
Project/Area Number |
07J04970
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 裕公 Osaka University, 微生物病研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 受精 / 精子運動性 / 鞭毛運動 / 遺伝子操作動物 / 実験動物 |
Research Abstract |
精子と卵子による受精では、精子の運動性が不十分であると、卵子に到達することもできず雄性不妊になる。我々哺乳類のように体内受精型の生殖活動を行う生物では、精子は雌性生殖路内で様々な変化を受ける事で、運動性も変化していく。本研究は、運動の効率に大きく関連する精子鞭毛の平面波に注目し、平面波を起こさなくなる遺伝子組み換えマウスを作製することで、受精時に精子に起こる変化を明らかにすることを目的としている。 今年度は、研究実施計画に従い、(1)平面波の形成に大きく関与すると思われる遺伝子として、RSP3に注目し、これに対するノックアウトマウスの作製を開始した。(2)精子/卵子の変化を経時的に観察できるよう、CO_2チャンバーを用いた高解像度タイムラプス観察系を構築した。(3)分子レベルでの変化を観察するために、マウス細胞/組織の電子顕微鏡観察系をセットアップし、受精に関わる重要な分子について免疫電子顕微鏡観察も行った。(4)ヒト精子用運動解析装置(SMAS)をマウス精子で利用するセットアップに関わり、マウス精子鞭毛の運動性の解析が容易にできるようにした。 他に、受精において精子は、雌性生殖器表面、卵子を囲む卵透明帯、卵子の細胞表面と相互作用を繰り返し、それぞれで起こる変化が受精に不可欠である事が次々と明らかになっている。運動性とは別に、これに関わる分子を解析する事は、不妊という現象を解析するうえで無視する事はできない。そこで、不妊を示す代表的な遺伝子欠損マウスであるIzumo(精子細胞膜上の分子)ノックアウト、CD9(卵子細胞膜上の分子)ノックアウトマウスを上記の解析系で観察した。さらに、不明な部分の多い卵子の細胞膜および雌性生殖器内の表面上で共通する重要な分子としてannexinファミリー蛋白質に注目し、これらの局在や発現状況などを解析した。
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Research Products
(1 results)