2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J09085
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤木 優壮 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 有機メゾクリスタル / 有機ナノ結晶 / 結晶表面への分子修飾 / 金ナノ粒子 / 面選択 / 昇華性結晶 / ネットワーク構造 |
Research Abstract |
我々は、有機ナノ結晶集合体「有機メゾクリスタル」の構築を目標として研究を行っている。メゾクリスタルとは、結晶や粒子が高度に集まって形成されたマクロな集合体のことを指す。有機ナノ結晶は、独自の電気、磁気、光学特性を有しているため、有機メゾクリスタルは、バルクの有機単結晶のような取り扱い易さだけでなく、それ自体がナノ結晶の特性を保持した新規な結晶材料となり得る。有機メゾクリスタルの構築が達成された際には、その社会的に与えるインパクトは非常に大きい。しかしながら、有機ナノ結晶どころかバルクの有機単結晶の表面にですら、集合体形成の駆動力となる相互作用基などを導入する方法は皆無であった。 我々は現在までに、有機単結晶の結晶表面に機能性分子を修飾した、コンポジット有機結晶材料を構築することに成功している。具体的には、金ナノ粒子をL-シスチン有機単結晶に、またポルフィリン色素を1-ピレンメチルアミン塩酸塩有機単結晶に、それぞれ面選択的に吸着させることに成功した。この研究成果によって、メゾクリスタル形成に向けて、第一段階「有機単結晶への機能性分子の修飾」は達成したと考えている。 また、この研究を進める中で、有機単結晶の特徴のひとつである「昇華性」を有する結晶、フェロセン結晶を用いて、金ナノ粒子と昇華性結晶との複合体材料の形成に成功した。さらに、この複合体形成から基体となるフェロセン結晶を昇華させ取り除き、金ナノ粒子のみから形成された、エアロゾルのようなネットワーク構造の構築に成功した。一般に、金ナノ粒子は凝集しやすく、ネットワーク構造の形成は難しいが、本手法をもってナン粒子のネットワーク形成の新たな方法論を提示することができた。この研究成果は速報として投稿し、掲載を認められた(Chem.Lett., 36,608-609,(2007))。 現在は、メゾクリスタル形成の第二段階「光学特性を持った有機ナノ結晶へ、メゾクリスタル形成の駆動力を持った置換基を修飾する」に関して研究を進めている。
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Research Products
(5 results)