2007 Fiscal Year Annual Research Report
カイコにおけるジーンターゲティングの分子機構とその効率向上
Project/Area Number |
07J09260
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
光延 仁志 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | HP1 / ヘテロクロマチン |
Research Abstract |
クロマチン構造とジーンターゲティング効率の相関に注目し,まずクロマチン構造の解析を行う為にクロマチン関連因子のクローニングおよび機能解析を行った.クロマチン関連因子としてコアヒストン4種類そしてH2Aバリアントである,H2AX, H2AZ,およびH3 (H3.2)のバリアントであるH3.3をクローニングした。またヘテロクロマチンのランドマークとして知られているHP1α, HP1βのカイコホモログもクローニングした.ヒストンのアミノ酸配列はカイコにおいても高く保存されており,クロマチンリモデリングに重要なヒストンの翻訳後修飾も存在する.特にヘテロクロマチン形成に重要なHP1の標的として知られるH3の9番自のリジンのメチル化(H3K9me)も確認した.しかし,IPなどの相互作用解析ではカイコHP1との相互作用は検出できていない.HP1の機能解析をする上で,ヘテロクロマチン形成による転写抑制効果を検出する為に,Gal4-UASシステムを利用した新規測定系を構築した.この実験系を利用してカイコHP1の転写抑制効果を見たところ,他の生物で提唱されている転写抑制モデルとは異なる機構を有している可能性が示唆された. 新規向上因子のスクリーニングに関しましては,ターゲテット細胞においてターゲティング後の変化が視覚的により判断しやすくするために,ゲノム上のコンストラクトの改良を行った.スクリーニングベクターについても,このベクターへcDNAライブラリーから多様な遺伝子を導入する際のバイアスの影響を軽減する為に,gateway technology (Invitrogen)を利用するものではなく,制限酵素によるdigestionとLigationによって遺伝子導入できるように改良した.これにより、よりランダムにそして簡便にターゲティング効率向上因子をスクリーニングすることが可能であると考えられる.
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Research Products
(5 results)