2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞老化におけるヒストンデアセチラーゼ2(HDAC2)の役割に関する研究
Project/Area Number |
07J09607
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山中 祐介 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | HDAC2 / 細胞老化 |
Research Abstract |
本年度はHDAC2を介した細胞老化シグナルを明らかにする目的で以下の解析を実施した。 1.細胞老化に伴いHDAC2の減少が起こるメカニズムの解析 細胞老化に伴うHDAC2の減少に重要な役割を果たすプロモーター領域の絞り込みをするために、ルシフェラーゼアッセイを中心とした解析を実施した。その結果、HDAC2の転写開始点から-326〜・315塩基の領域がHDAC2の転写活性化に主要な役割を果たし、老化細胞ではその領域における転写活性化能が低下していることを発見した。また、その領域に結合する転写因子は各データベースに未登録の新規転写因子であることが明らかになった。 2.HDAC2発現変化の細胞老化への影響 HDAC2をノックダウンしたときの細胞老化への影響を調べるため、増殖が盛んな継代早期の正常ヒト線維芽細胞にHDAC2特異的なsiRNAを処理した。その結果、HDAC2がノックダウンされた細胞では、細胞老化で蓄積して細胞周期の進行を抑制する遺伝子p21^<cip1/sdi1の発現が顕著に増加した。この結果や既に得られている知見を併せて、HDAC2が増殖の盛んな継代早期の細胞ではp21^<cip1/sdi1>の発現を抑制することにより、細胞老化を抑制するメカニズムが示唆された。 このような結果をふまえ最終年度となる来年度は、HDAC2の転写活性化に重要なだけでなく、細胞老化におけるHDAC2の転写量の減少にも働く当該新規転写因子の同定とその機能解析を進めたい。
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Research Products
(2 results)