2007 Fiscal Year Annual Research Report
Rab GTPase Sec4と,そのエフェクターによる開口放出制御の構造基盤
Project/Area Number |
07J09655
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 裕介 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | X線結晶構造解析 / 小胞輸送 / 低分子量GTPase / グアニンヌクレオチド交換因子 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
開口放出は分泌の最終経路で分泌小胞が細胞膜と融合することによって起こる.その膜融合は,主に低分子量GTPaseであるRabとエフェクターとの相互作用によりGTP依存的に制御されている、Rabは活性化状態であるGTP結合型と不活性化状態であるGDP結合型の2つの状態を転移することで,開口放出を制御する分子スイッチとして働く.出芽酵母の開口放出はRabの一つであるSec4pによって制御されている,Rabの活性型への変換はグアニンヌクレオチド交換因子(GEF)によって行われているが,Sec4pのGEFとしてSec2pが同定されており,また,そのGEFドメインは2量体化して180Å以上におよぶ非常に長い平行コイルドコイル構造を持つことを最近明らかにした.また,ごく最近核酸非結合型のSec4pとSec2p複合体の構造も明らかにされ,Sec2pはSec4pのスイッチ領域,およびP-loopの構造を大きく変化させることがわかった.しかし,この構造は分解能が3.3Åと低く,詳細な結合様式を議論するためには不十分であった.そこで,我々はSec2pによるSec4p活性化の機構を明らかにするため,Sec4p・Sec2p複合体の結晶構造を2.7Åの分解能で決定し,Sec4pとSec2pの詳細な結合様式を明らかとした.また,我々の構造は,通常グアニンヌクレオチドのβ位のリン酸の結合に関わるP-loopに,リン酸イオンが結合していた.このため,P-loopは安定化され,核酸結合型のSec4pと類似した構造をとっていた.このことから,我々の決定したSec4p・Sec2p・リン酸複合体の構造はGDP解離反応の遷移状態を模していると考え,Sec4p活性化の反応モデルを提案した.
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Research Products
(4 results)