2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規グルタミン酸アンタゴニストの開発を指向したカイトセファリンの効率的全合成
Project/Area Number |
07J10080
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
濱田 まこと Osaka City University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | カイトセファリン / イオンチャンネル型グルタミン酸受容体 / アンタゴニスト / 効率的合成 |
Research Abstract |
カイトセファリンは天然より初めて見出されたイオンチャンネル型グルタミン酸受容体(iGluRs)アンタゴニストである。高活性・低毒性であることから脳保護薬のリード化合物として注目され、詳細な薬理学的挙動の解明が望まれているが、菌体培養による供給が困難であるため、化学合成による量的供給を待つ状態にある。我々はこれまでにカイトセファリンの全合成を報告しているが、その量的供給には課題が残されていた。また、iGluRsサブタイプ選択的アゴニスト、ダイシハーベインとカイトセファリン鏡像体に構造的類似性を見出し、カイトセファリン鏡像体にサブタイプ選択性が期待できると考えた。そこで、(1)カイトセファリンの効率的合成経路の確立及び(2)カイトセファリン鏡像体の合成および活性評価に向けて研究を開始した。 (1)天然物の全合成では、酸化段階の調節が工程数増加の一因である。そこで、1-[N-Cbz-(1R)-1-アミノ-2-オキソエチル]-4-メチルー2,6,7-トリオキサビシクロ[2,2,2]オクタンとN-Boc-(5R)-5-シロキシメチルプロリンメチルエステルのアルドール反応によりカイトセファリン右側ユニットを構築した。生成物の立体化学は(3R,4R)となり、3位不斉中心が天然物と異なると予想した。事実、アルドール反応は予測した生成物を与えた。そこで酸化・還元により3位の立体化学の反転を行い、望むS体に導くことができた。シリル基の除去・オルソエステルの加水分解とエステル交換、一級水酸基の選択的酸化を行った後、Honor-Emmons反応によってカイトセファリンデヒドロ体を合成した。現在、二重結合の立体選択的還元を試みている。(2)カイトセファリン鏡像異性体は先に確立した合成法を用いて合成した。現在、化合物の精製と活性評価を行っている。
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Research Products
(1 results)