2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J10265
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
森阪 匡通 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ミナミンドウイルカ / 意思決定 / ホイッスル / 御蔵島 / コシャチイルカ / コミュニケーション / 音声 / 群れ |
Research Abstract |
集散系の社会を持つ動物における群れの意思決定の過程とその維持機構を解明することを目的とし、本年度はミナミハンドウイルカにおける音声研究を中心に従事した。 1.音声からみた群れ内の個体間関係、を明らかにするために、伊豆諸島御蔵島周辺海域において、ここに棲息するミナミハンドウイルカの音声と映像を録画し、各個体の音声カタログを作る資料を収集した。また、この際に個体間関係を示す指標をSOCPROGにて行うため、カナダで行われたワークショップに参加した。 2.個体が音声から認識する群れの範囲、を明らかにするために、イルカのホイッスル音の発せられた場所を特定するための水中マイクアレーシステムを構築し、本年度は特にそのシステムの精度評価を中心に行った。また、昨年度までに収録していたデータなどを再解析した結果、イルカが音声から認識する群れの節囲を明らかにできる確信を得たため、現在論文執筆中である。また、この中間結果をカナダで行われた国際行動学会、また南アフリカで行われた海棲哺乳類学会で報告を行った。 3.群れの意思決定、を明らかにするために、本年度はその場所を決定することを目指した。しかしイルカは季節や天候などで移動パターンが様々であり、設置型のシステムはこの研究に非常に困難であることが判明したため、現在、移動可能なシステムを考案中である。 4.ホイッスルを発さない種の音声行動とその意思決定のメカニズムを知るために、南アフリカ沿岸に棲息するコシャチイルカの基礎的音響調査を一ヶ月程度行い、9時間近くの貴重な音響データを収録した。
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Research Products
(4 results)