2007 Fiscal Year Annual Research Report
IL-1/TLRシグナルにおけるTAK1のダウンレギュレーションの解明
Project/Area Number |
07J10585
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
簑田 泰昌 Kyushu University, 生体防御医学研究所, 特別研究員(DC2)
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Keywords | タンパク質キナーゼ / TAK1 / ユビキチン / ポロテオーム / インターロイキン / ダウンレギュレーション / NF-kB / クローニング |
Research Abstract |
自然免疫では特にinterleukin-1(IL-1)やTumor Necrosis Factor-α(TNF α)などの炎症性サイトカインの転写にNF-kBやAP-1が重要な役割を果たしている。これらのサイトカインは局所の炎症や全身の体温上昇など自然免疫において重要な役割を果たしている。またこれらの炎症性サイトカインの過剰な産生やシグナル抑制系の破綻は敗血症等の重篤な疾患を誘導する。TAK1は、これらのシグナル伝達に必須のセリンスレオニンキナーゼである。TAK1の活性化機構についてはアダプター分子TAB1,TAB2が既に報告されており、TAK1はこれらを介して上流のTRAF6と複合体を形成することで活性化されることが明らかとなっている。TAK1の活性化は刺激による一過性のものであり負に制御する機構が存在するはずであるがその機構はほとんど明らかになっていない。本研究では刺激によって活性化されたTAK1が再び不活性化の状態に戻るための分子機構を明らかにすることを目的とし、それに関与する分子の同定,細胞レベルでの機能解析,最終的には個体レベルでのTAK1の役割の解明を目指すことを目的とする。現在までにTamdem-Affinity-Purification(TAP)法によってTAK1をbeitにプロテオミクスからのアプローチを行いTAK1のダウンレギュレーションに関与すると考えられる分子の探索を試みた。HeLa細胞にTAP-TAK1を過剰発現させ、未刺激時にはTAK1と結合せず、IL-1β刺激5分後に結合する分子群をLC/MSを用いて網羅的に探索を試みた。同定した分子群に関していくつか候補を絞ってクローニングを行い、293細胞に過剰発現させTAK1の活性によるNF-kBのレポーターアッセイを行った。その結果TAK1のダウンレギュレーションを担うと考えられる分子が見出された。そこで顕著にレポーターの下がったこの分子の詳細な機能を解析するために現在研究を進めているところである。この遺伝子はF-ボックスを有するSCF複合体型E3ユビキチンリガーゼの一種であり、現在までに過剰発現の系の実験のみではあるが、TAK1の活性化を負に制御していることを明らかとした。また上記分子は過剰発現の実験結果より、TAB1の分解を促進しその結果TAK1の活性を失うことが示唆された。一方でTRAF6の分解には機能していないことが明らかとなった。今後過剰発現のみではなくsiRNAを用いたノックダウンによる検討や抗体を作成し内在の機能解析や特異性の確認を行う予定である。
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Research Products
(3 results)