2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規に開発した分化モデルによるM細胞特異的分子の探索と機能解明
Project/Area Number |
07J10978
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金谷 高史 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | M細胞 / MIE細胞 / M細胞分化誘導系 / パイエル板 |
Research Abstract |
<M細胞分化を誘導するパイエル板細胞腫の同定> 当研究室において、申請者らが開発した新規分化モデルを用い、M細胞分化に重要な役割を果たす免疫系の細胞の特定を試みた。パイエル板から分離したリンパ球をマウス腸管上皮細胞株(MIE)と共培養したところ、M細胞分化誘導は観察されなかった。しかしながら、抗CD3および抗CD28抗体によりパイエル板リンパ球を刺激すると、MIE細胞のM細胞分化誘導が認められた。これらのことから、MIE細胞のM細胞分化にはパイエル板リンパ球中のT細胞の活性化が深く関与することが推測された。そこでMACSを用い、パイエル板リンパ球よりT細胞、B細胞およびT細胞を含まない細胞集団を調製し、MIE細胞との共培養を行った。その結果、MIE細胞のM細胞分化には、活性化T細胞とB細胞の両方が不可欠であることが明らかとなった。 <M細胞分化因子の同定> 活性化T細胞とB細胞によるM細胞分化誘導機構を解析するため、パイエル板リンパ球にT細胞を活性化するために抗CD3および抗CD28抗体を添加し、培養を行った。培養後の上清を回収し、MIE細胞に添加したところM細胞分化誘導活性が認められた。このことより、パイエル板リンパ球中の活性化T細胞とB細胞は、M細胞分化を誘導する液性因子を放出することが明らかとなった。 <M細胞分化特異的遺伝子プロファイルを用いたM細胞特異的分子の同定> 上記M細胞分化モデルを用い、M細胞分化誘導の前後の細胞よりRNAを抽出し、遺伝子発現の差をマイクロアレイにより解析した。次に、M細胞分化誘導区において発現が著しく上昇するM細胞特異的遺伝子プロファイルを作成した。作成したプロファイルを基にM細胞分化誘導区において発現が上昇する遺伝子群を選抜した。現在、選抜した遺伝子群のマウスパイエル板組織における発現様式をin situ hybridization法を用いて解析中である。
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Research Products
(4 results)