2007 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変マウスを用いたホスホリパーゼC_εの炎症応答における機能解析
Project/Area Number |
07J55411
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
竹中 延之 Kobe University, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ホスホリーパーゼCε / ケラチン5プロモーター / 炎症 / 慢性皮膚炎 / 尋常性乾癬 / 分子生物 / トランスジェニックマウス / Creリコンビナーゼ |
Research Abstract |
Creリコンビナーゼ依存的にマウスPLCεを過剰発現するマウスを表皮基底細胞特異的ケラチン5(K5)プロモーター制御下でCreを発現するマウスと交配し、角化細胞特異的にPLCεを過剰発現するマウス(K5-Cre^<Tg/+>;flox-PLCε^<Tg/+>マウス)を作出した。得られたマウスはメンデルの法則から予想される比率で得られた。このマウスは、生後9日目から皮膚に鱗屑を現し、表皮肥厚、錯角化を起こすことから、ヒト尋常性乾癬に非常に類似している可能性が示唆されたので、このマウスが示す慢性炎症とヒト尋常性乾癬との類似点の解析を行った。 1.K5-Cre^<Tg/+>;flox-PLCε^<Tg/+>マウスが示す慢性皮膚炎の解析:炎症細胞の変化を免疫染色で解析したところ、好中球、CD4陽性T細胞の表皮層・真皮層への浸潤が顕著であった。また、このマウスの皮膚mRNAを用いたRT-PCRによる解析から、複数の炎症性サイトカインや血管新生に関る血管内皮増殖因子の発現上昇が認められ、血管内皮細胞特異的マーカーである抗CD31抗体を用いた免疫染色でも、皮膚において毛細血管拡張が認められた。また、ヒト乾癬で認められているSTAT3の活性化を抗リン酸型STAT3抗体を用いた免疫染色で解析したところ、トランスジェニックマウスの角化細胞ではSTAT3の活性化が起こっていることを示した。 2.K5-Cre^<Tg/+>;flox-PLCε^<Tg/+>マウス由来角化細胞培養系での解析:細胞増殖をBrdU法で解析し、増殖の抑制を認めた。また、RT-PCRによるmRNAの発現解析から、複数の炎症性サイトカインの発現上昇が認められた。一方、cyclinD1やc-Mycなど細胞周期関連遺伝子の発現抑制が認められた。
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Research Products
(2 results)