1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08771119
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
羽崎 兒 京都大学, 医療技術短期大学部, 助手 (00263145)
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Keywords | PNF / 下肢筋力 / 下肢運動機能 / 即時的効果 |
Research Abstract |
本研究の目的は、健常成人に対して、PNF施行前後と一般的理学療法施行前後の下肢筋力、下肢運動機能の比較により、PNFが健常成人に及ぼす影響を明らかにすることである。さらに、スポーツによって下肢に外傷を受けた患者の治療にPNFを用いた場合と、一般理学療法を用いた場合の比較によってPNFの有効性を明確にし、PNFの効果についての科学的裏付けを得ることである。今年度は、健常成人に対するPNFの即時的な効果を下肢筋力、下肢運動機髄から検討したので報告する。 対象は、PNF施行群4名(平均年齢21.0±0.8歳)、一般理学療法施行群4名(平均年齢21.5±0.7歳)、対照群4名(平均年齢23.5±3.3歳)とした。筋力測定は膝屈伸筋力を川崎重工製マイオレットRZ-450を用いて、角速度30゚/sec、120゚/sec、210゚/secの求心性筋力と30゚/secの遠心性筋力のピークトルクを測定した。下肢運動機能は、伊藤らの機能的能力テスト(FAT)を用いて測定した。 その結果、PNF施行群、一般理学療法施行群、対照群ともに施行前後の膝屈伸筋力のすべての角速度において、さらに下肢運動機能のすべての運動課題において、統計学的な有意な差は認められなかった。また、施行前と施行後の変化率においても、PNF施行群、一般理学療法施行群、対照群の3群間に統計学的な有意差は認めらず、健常成人に対しては、PNFの下肢筋力、下肢運動機能におよぼす即時的な効果がないことが示された。 今後は、スポーツ外傷患者に対するPNFの即時的効果や、維続的なPNF施行が健常成人や患者に及ぼす影響を明確にしていく予定である。
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