1997 Fiscal Year Annual Research Report
留学の経済発展に果たす役割と留学生に対する経済学教育方法論に関する研究
Project/Area Number |
08878032
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 進 京都大学, 大学院・経済学研究科, 講師 (30235353)
|
Keywords | アジア経済危機と留学 / 創造する留学生教育 / 日本の国際教育 / 卒業留学生の追跡 / 帰国留学生調査 |
Research Abstract |
研究第二年度は、第一年度に引き続き、新旧留学生、卒業留学生に対する綿密な聞き取り調査を主体にし、これに他の大学の留学生担当者からの聞き取り調査(留学生教育の実状)を加えた。年度後半はアジア経済危機が急激な深まりを見せ、留学生たちの心境に深い影を落とすように感じられた。この中で、日本への留学はあらためて振り返って再検討を加えるべき段階に到達していることがわかってきた。現地社会の変化と日本の変化、双方の関係の変化という複雑な関係の中で理解する必要がある。 年度前半の調査を踏まえて、教育方法論としては、11月上旬、留学生教育学会において「留学生と協力して創造する授業と課外活動」という発表にまとめてみた。(来年度早い時期に出版の経済学教育学会編「経済学の授業づくり(仮題)」に「留学生と協力して創造する国際教育」として掲載される予定)。国際教育分野において日本が貢献すべき課題に関する調査と考察の結果は、11月中旬に行われた香港中文大学での「日本語日本研究シンポジウム」において、「日本における国際教育の役割-日本留学の意義について」というタイトルでの発表となった。 就職して数年たつ卒業留学生にインタビューを行い、大学での教育の効果について観察を試みた。時間の節約にビデオでの記録を行おうとしたが、プライバシー面が懸念され不評であることが判明、記録方法には再検討を要することがわかった。また卒業留学生の調査は国内だけでは不十分であり、帰国留学生の追跡調査も不可欠である。母国の教育政策、帰国した留学生の活躍場面についても、生きた姿で観察する必要がある。来年度は、許されれば、留学生母国での調査を一部試験的に組み込んで、母国と日本をまたぐ大きな変化を全体調査に反映させてみたいと思う。
|
Research Products
(1 results)