1996 Fiscal Year Annual Research Report
ストップトフローによる浮遊赤血球の高速形状変化の顕微観察
Project/Area Number |
08878111
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
佐野 孝之 大分医科大学, 医学部, 教授 (90112169)
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Keywords | ストップトフロー / 赤血球 / 形状変化 / 顕微観察 |
Research Abstract |
一般に、外部刺激による細胞の変化を顕微鏡観察する際に、細胞をプレパラートに固定する場合が多い。しかし薬物添加による細胞の変化を観測する場合には必ずしも良い方法とは言えない。特に細胞で起こる変化が高速であれば、薬物添加の最中に細胞の変化が進行するし、また柔らかな細胞であれば、薬物添加時の液流圧により細胞の歪みを生ずることもある。我々は、これまで薬物添加による赤血球の形状変化について、光散乱あるいは濁度検出ストップトフローを用いて形状変化のダイナミックスを観測し、その機構解明を試みてきた。赤血球は両親媒性物質(陰イオン性界面活性剤)の添加により、約20分にわたる複数の過程を経てエキノサイト形(金平糖形)に変化する。混合後1秒以降の遅い過程については写真撮影等により形状変化の定量的評価も行ってきた。しかも1秒以内にも複数の動的過程の存在する事がわかったものの、その速い過程については赤血球のどんな形状変化が起こっているか不明のままであった。そこで溶液内の高速反応の研究法の代表ともいえるストップトフロー法の応用を試み、混合・停止系の不感時間は11.3ミリ秒、リザーバーにある反応溶液A,Bはあらかじめ循環水によって温度37℃に制御、混合器容量が10.5μl、観測セルの光路長0.2mm、容量8μlで、プレパラート全体が37℃の循環水で温度制御された光学顕微鏡の恒温ステージにマウントされた装置を開発した。観測は通常のCCDカメラ(画素数38万、30画像/秒)と高速カメラ(Nac HSV-200、走査線262.5本、200画像/秒)を用いて録画し、ビデオ画像をパソコン(Power Mac)に取り込み、機能豊富なフリーソフトであるNIHImageを用いて画像処理を行うことにより赤血球の断面積の経時変化を解析している。
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Research Products
(2 results)