2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08F08450
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴崎 正勝 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
XIONG Zhengchang 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 抗インフルエンザ薬 / リレンザ / 直接的触媒的不斉アルドール反応 / 銅触媒 / アスコルビン酸 / 実用的合成 / 類縁体合成 |
Research Abstract |
インフルエンザのパンデミックは人類全般に対する直近の脅威となっている。特に近年、現在最も広く用いられている抗インフルエンザ薬タミフルが効かない耐性菌が広く出現していることは大きな問題である。リレンザは、タミフルと同じく、インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼを阻害することで抗インフルエンザ活性を発現する。最近リレンザがタミフル耐性菌に対しても有効であることが判明し、とみに注目を集めている。そこで本プロジェクトでは、新規反応の開拓を基盤としてリレンザの合成効率を向上させ、全世界的な大量供給を実現することを目標とする。また合成ルートの特徴を活かした誘導体合成にも取り組み、経口投与可能なリレンザ新規類縁体の創出をおこなう。 リレンザ合成の基盤反応として、安価で容易に入手可能なアスコルビン酸から誘導されるアルデヒドとα-アミノイノンとの間の直接的触媒的不斉アルドール反応と、これに引き続くワンポットでのピラン環形成反応を見出し、リレンザの母核を一挙に構築する方法論を開発した。現在のところ、リレンザの合成に結びつく反応基質においては未だ環化の効率が低い。来年度以降に反応条件の最適化をおこない、大規模合成および誘導体合成への展開へと発展させる予定である。
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