2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J00060
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
源川 拓磨 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 玄米 / 吸水 / 共焦点レーザー顕微鏡 / 水分分布 / 非破壊観察 |
Research Abstract |
玄米内部の水分の移動機構を解明することを目的として、玄米に浸透させた蛍光試薬の水溶液の分布を共焦点レーザー顕微鏡によって捉えることで、米粒内部の水分分布を可視化する観察方法を考案し、本手法の有効性を検討した。研究実績の概要は以下の通りである。(1)観察ステージの作成については、供試米粒の姿勢を一定に保持したまま水溶液への浸漬処理と観察操作が行えるように、水溶液の水位を任意に調節可能な灌流装置と試料を固定するための装置を作成した。これにより、同一試料について定点観察を行うことが可能となった。(2)米粒内の水分移動の観察については、まず胚乳部分の水分移動について既往の報告例と比較し、本手法の妥当性を検証した。Lucifer Yellowの水溶液に白米粒を10分間浸漬し、胚乳部分の水溶液の分布状況を1分ごとに観察した。その結果、胚乳部分での水溶液の移動は背部側に比べて腹部側の方が大きく、さらに吸水深さも腹部側が大きかった。この傾向は既往の報告例と一致しており、本手法によって胚乳部分の水分移動を可視化できることが示された。次に米粒組織の中で吸水が最初に進む胚芽部分について水分の立体分布を明らかにした。Acridine Orangeの水溶液に玄米粒を10分間浸漬した後、胚芽部分を中心として高さを50μmずつ変えて水溶液の分布状況を観察し、さらに顕微鏡付属のソフトウェアを使って水分分布の立体像を作成した。その結果、胚乳部分および糠部分に比べて胚芽部分の吸水速度が大きく、さらに水溶液に接触していない胚盤部(胚芽と胚乳の接合面)に水溶液が浸透している様子が観察された。
|
Research Products
(5 results)