2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J00293
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山名 俊介 Kyoto University, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 池田リフティング / 保型形式のフーリエ係数 / コーネンプラス空間 / マース関係式 / ヤコビ形式 / 新形式理論 / 退化主系列表現 |
Research Abstract |
筆者は当該年度に以下の三つの研究を遂行した. (1)コーネンの新形式理論をレベルが4×(平方因子を持たない奇数)のプラス空間からレベルが8×(平方因子を持たない奇数)のプラス空間に拡張した. (2)管状領域の正則保型形式を決定するフーリエ係数の集合についての以下の研究をした.すなわち,1981年に発表されていたザギエの二次のジーゲルモジュラー群に関するジーゲル保型形式が原始的なフーリエ係数による決定されるという結果を主要なチューブ領域上の任意のレベルの高次の正則保型形式に一般化した.筆者の研究は高次の重さ半整数のジーゲル保型形式の場合の決定条件も含んでいる.ザギエの手法の筆者による拡張は,アイヒラーとザギエにより構築されたヤコビ形式のテイラー展開の理論を高次元化して用い,高次の正則保型形式の理論へのヤコビ形式の興味深い応用を与えている. (3)退化主系列表現とは,古典群のジーゲル放物型部分群の一次元表現の誘導表現である.筆者は非アルキメデス体上の四元数体上のエルミート形式と歪エルミート形式のユニタリ群(すなわち,古典群Sp(n,n)とO^*(4n))の退化主系列表現の可約点を決定し,可約点での組成列と絡作用素の挙動を与え,既約成分をテータリフトを用いた記述した.これらはシンプレクティック群と準分裂なユニタリ群の場合のクドラ,ラリス,スウィートらの古典的な研究の四元数型の簡約対での類似である.この研究は四元数型の群でのジーゲル・ヴェイユ公式の拡張に応用が期待される.
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Research Products
(8 results)