2008 Fiscal Year Annual Research Report
薬物トランスポーターを標的としたケミカルバイオロジー
Project/Area Number |
08J01384
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
齊藤 光 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ABCトランスポーター / ABCG2 / QSAR / kinase inhibitor / multidrug resistance / 構造活性相関 / 阻害機構 / 分子標的 |
Research Abstract |
当該年度は、ABCG2阻害剤の探索とその阻害メカニズムを明らかにすることにした。 QSARに基づいたABCG2阻害剤の探索 QSAR解析で得られた情報に基づいて、タンパク質リン酸化酵素阻害剤の中からABCG2阻害剤を探索した。タンパク質リン酸化酵素阻害剤の中で、プリン環構造を持つpurvalanol A,bohemine,roscovitine,olomoucineに着目した。これらはサイクリン依存キナーゼ阻害剤である。また、キナゾリン環構造を持つWHI-180にも着目した。この構造はABCG2を強く阻害することが明らかになったgefitinibと良く似た構造を有している。さらに血管内皮細胞増殖因子受容体VEGFR2キナーゼ阻害剤、Akt阻害剤、JNK阻害剤にもABCG2との相互作用に重要な化学構造を見いだす事ができた。 ABCG2阻害剤の阻害機構の解析 探索されたABCG2阻害剤の阻害機構を解析した。阻害メカニズムをLineweaver-Burk plotによって解析し、速度論的に阻害剤がABCG2の基質認識部位に結合するのか、あるいはATP結合部位に結合するのかを区別した。さらに、この解析方法により、阻害剤がABCG2-ATP複合体に結合するか否かを判別した。olomoucine,bohemine,roscovitine,purvalanol A,novobiocin、は非競合阻害剤、WHI-180,gefitinib,imatinib,SN-38,quercetinは反競合阻害剤であることが明らかになった。速度論的に反競合阻害剤はABCG2-ATP複合体に結合するのに対して、非競合阻害剤は、ABCG2-ATP複合体だけでなく、ABCG2にも結合していることが明らかとなった。
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Research Products
(8 results)