2008 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病におけるプロテアソーム活性制御とドパミンニューロン死の関係
Project/Area Number |
08J01469
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 憲幸 Kyoto University, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | パーキンソン病 / ユビキチンプロテアソーム系 / ドパミンニューロン / ヘムオキシゲナーゼ |
Research Abstract |
1.カテコラミンがユビキチンプロテアソーム系に与える影響についての解析 プロテアソーム活性低下により蓄積するZsProSensor-1をPC12細胞に強制発現させ、フローサイトメトリーにより、プロテアソーム活性の低下をZsProSensor-1の緑色蛍光強度を指標として判別し、細胞の生死はpropidium iodideを用い評価することで、細胞単位での解析を行った。パラコートを処置すると、プロテアソーム活性が低下した死細胞数の増加は小さかったのに対して、プロテアソーム活性が低下した生存細胞数は顕著に増加した。そこで、細胞内ドパミンを枯渇させると細胞毒性は抑制されたが、プロテアソーム活性が低下した細胞数は影響を受けなかった。次に、プロテアソーム活性低下を早めた場合、パラコートによる死細胞数の増加が抑制された。以上よりパラコートによるプロテアソーム活性の低下はドパミンを介した細胞死の経路とは無関係であり、むしろ細胞毒性に対して保護的に働く可能性が示唆された。 2.HO-1とユビキチンプロテアソーム系の関係についての解析 パーキンソン病患者の剖検脳においてHO-1の関与が報告されている。そこで、プロテアソーム活性低下による細胞保護作用について、HO-1に着目し、中脳初代培養細胞を用いて検討を行った。プロテアソーム阻害薬により、新規合成の亢進および分解の抑制を介して主にアストロサイトでHO-1タンパク量が増加した。プロテアブーム阻害薬を前処置すると、6-OHDA誘発ドパミンニューロン死に対し抵抗性を示し、その保護作用はHO-1阻害薬の同時適用によって抑制され、HO-1によるhemeの分解生成物は6-OHDA誘発ドパミンニューロン死を抑制した。プロテアソーム活性の低下によりアストロサイトで増加したHO-1は間接的にドパミンニューロンを保護することが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Nicotinic receptor stimulation protects nigral dopaminergic neurons in rotenone-induced Parkinson's disease models2009
Author(s)
Takeuchi. H., Yanagida, T., Inden, M., Takata, K., Kitamura, Y., Yamakawa, K., Sawada, H., Izumi, Y., Yamamoto, N., Kihara, T., Uemura, K., Inoue, H., Taniguchi, T., Akaike, A., Takahashi, R., Shimohama, S.
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Journal Title
J. Neurosci. Res. 87
Pages: 576-585
Peer Reviewed
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[Journal Article] Regulation of intracellular dopamine levels by dopaminergic drugs : involvement of vesicular monoamine transporter2008
Author(s)
Izumi, Y., Yamamoto, N., Kume, T., Katsuki, H., Sawada, H., Akaike, A.
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Journal Title
Eur. J. Pharmacol. 582
Pages: 52-61
Peer Reviewed
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