2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J01641
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石川 大仁 Osaka University, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | RNA分解 / 分子生物学 / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
生物はDNAからRNAを転写し,RNAを翻訳して蛋白質を作る。個々の細胞でどのような蛋白質を作るかは,RNAの合成と分解によって調節されている。したがってRNAの分解は蛋白質の量を調節する重要なプロセスの1つである。しかし,そのような重要なプロセスであるにもかかわらず,ヒトを含むほとんどの生物ではRNAの分解過程の研究はあまり進んでいない。そこで本研究では,ヒトを含めた多くの生物にも適用できる普遍的なRNA分解機構の解明を目指し,高度好熱菌というバクテリアをモデルとして研究を行っている。 これまで(昨年度まで)に本研究では,普遍的なRNA分解機構の主役の可能性がある蛋白質としてTTHA0252と呼ばれる蛋白質を新たに発見した。この蛋白質はRNAを分解する酵素であり,これまでに知られているRNA分解酵素とは異なる構造をしていた。今年度はそのTTHA0252がもつ働きと構造についての解析をさらに進めた。TTHA0252が試験管内でRNAを分解することは昨年度までに分かっていたが,生物の細胞内でも実際にRNAを分解していることを今回明らかにした。またTTHA0252がRNAに結合した状態の構造をX線結晶構造解析という方法で決定した。この構造から,どのアミノ酸がTTHA0252の働きに重要なのかを解明することができた。TTHA0252にあたるヒトの蛋白質に異常が起きると,免疫の低下などの深刻な病気になることが分かっている。今回得られた成果は,それらの病気の原因解明さらには治療などにつながる可能性もある。
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Research Products
(5 results)