2008 Fiscal Year Annual Research Report
ブラックホール降着流における状態遷移の理論シミュレーション研究
Project/Area Number |
08J01842
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小田 寛 Chiba University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 理論天文学 / 数値天体物理学 / 輻射磁気流体力学 / 降着円盤 / ブラックホール / X線γ線天文学 / 宇宙・天体プラズマ / 輻射過程 |
Research Abstract |
これまでの我々の研究により、光学的に薄いブラックホール降着円盤において、磁気圧優勢な熱平衡状態が存在することが解り、従来の磁場を考慮しないモデルでは説明できなかった観測結果を定性的に説明することに成功した(Oda et al.2007)。本年度はこのモデルを光学的に厚い場合も扱えるように拡張した。その結果光学的に厚い場合にも磁気圧優勢な熱平衡解が存在することが解った。これらの結果について、2008年7月にモントリオール(カナダ)で行われた国際会議37th COSPAR Scientific Assembly Symposium E,session 15にてポスター発表を行い、米国の学術誌Astrophysical Journalに投稿し、受理された(Oda et al.2009)。また、これまで円盤プラズマを構成するイオンと電子の温度が等しいとする一温度モデルを採用していたが、これを二温度モデルへ拡張し、更に放射冷却として相対論的制動放射に加えてシンクロトロン放射、逆コンプトン散乱を考慮した。その結果、定量的にも観測結果を説明できることが解った。この結果については日本天文学会2009年春季年会にて口頭発表を行い、現在投稿論文を執筆中である。 また、FLD近似を用いた幅射磁気流体コードを、大須賀(国立天文台)、川島、小川(千葉大)らと共に作成し、一次元コードのテスト計算が終了した。計算は国立天文台の計算機システムCray XT4にて行った。この結果は2008年12月に国立天文台で行われた第21回理論天文学懇談会にてポスター発表を行った。現在、HLLD+CT法を実装、2次元、3次元へ拡張中である。
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Research Products
(8 results)