2009 Fiscal Year Annual Research Report
生態系における、環境又は生物種間相互作用による個体群変動のモデリングと数理解析
Project/Area Number |
08J01921
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
李 聖林 Okayama University, 大学院・環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 細胞ダイナミクス / パターン形成 / 時間遅れ反応拡散系 |
Research Abstract |
発生学におけるパターン形成は様々なスケールを持つ生命単位の相互作用によって生じる。組織レベルでのパターン形成は個々の細胞から生じ、個々の細胞の運命は的確な遺伝子発現の過程を経て決定される。本年の研究では遺伝子レベルでの時間制御がマクロスケールのパターン形成に与える影響について考察した。なお、パターン形成において組織の成長を伴う場合や組織の成長がモルフォゲンに直接制御される場合についても議論し、その結果を3つの論文として作成した。二つの論文は国際雑誌に記載予定でもう一つは作成中である。 なお、この研究は遺伝子レベルでの時間制御が細胞組織レベルでのパターン形成に与える影響の重要性を非常に明らかにしており、今後、様々な発生のメカニズムの中で遺伝子レベルでの時間制御の部分が理論又は実験的にも大変重要であることを示している。各々の段階での仕組みを全体の図としてとらえる研究として注目されることが期待できる。また、時間制御とともにモデルのロバスト性を促進できる新たな、パターン形成の基本メカニズムの発見が期待される。
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Research Products
(6 results)