2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J02626
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藤田 美紀 University of Tsukuba, 大学院・人文社会科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 経済史 / タイ / 教育 / 工業化 / 技術者 |
Research Abstract |
本年度の研究の進捗として、以下の内容が挙げられる。まず、タイ中等教育普及に作用した経済的要因に関する論文を作成し、日本タイ学会の学会誌に投稿した(現在審査中)。ここでは、昨年度に行った同学会での研究報告に対するアドバイスを元に、アンケート対象企業の経営陣への聞き取り調査などを追加して行った。また、アンケート結果を多角的に分析する目的でアンケート分析ソフトSPSSについて学び、その検証結果を論文に反映させた。 次に、経済発展に直接影響を与える技術者教育について現地調査を行った。平成21年7月21日から8月19日にタイ東北部・コンケン大学工学部を訪問した。コンケン大学は、1964年に創設された国立大学であり、その工学部はタイ国内にて2番目に、かつ首都以外の地域で最初に設立され、国内の技術者養成に非常に大きな役割を持ってきた技術教育機関である。歴史資料を収集し、その設立や変遷の過程を把握した。また、卒業生の就職先に関する一部資料を入手し、技術者として働く卒業生の業務内容や転職状況、労働意識に関するアンケート調査とインタビュー調査を行った。加えて、関連した意識調査を在校生に対して行った。 さらに、日本学術振興会による優秀若手研究者海外派遣事業の支援を受け、平成22年3月5日から同大学を受入機関として、タイで研究を行っている。受入部局を教育学部とすることで、専門ではない教育の側面への分析視点を学ぶとともに、調査対象である大学教育の内部に身を置くことで、さらに調査を精緻に行う事を目的としている。同時に、現地に進出した日系機械企業への調査も並行して行っている。同年3月25日には、日系のブレーキ製造工場を訪れ、日本人技術者への聞き取り調査や観察調査を行った。現在、タイ国内で入手可能な関連資料を収集、分析するとともに、可能な限り大学や企業内部で調査を行うため、調査の説明、依頼を行っている。
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