2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J02626
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藤田 美紀 University of Tsukuba, 大学院・人文社会科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 経済史 / タイ / 教育 / 工業化 / 技術者 |
Research Abstract |
まず、昨年度に作成した、タイ中等教育普及に作用した経済的要因に関する修士論文を整理し、学会報告を行った。そこで得たアドバイスを元に、7・8月に再度現地にて調査を行った。 同時期にタイ労働省・技術開発局、地場電子部品企業、財団法人海外職業訓練協会(厚生労働省の委託を受け、企業活動の国際化に対応した人材育成支援活動を行う。)を訪れ、タイにおける技術者教育の現状を、政府機関、企業、国際協力の分野から総合的に把握した。 以上の現地調査と先行研究から、博士論文のテーマを以下のように設定した。まず、経済発展に直接影響を与える技術者教育を対象とする。そして、技術者養成制度の展開を把握し、技術者の需給を量と質の両面から比較する。ここでは質的不一致が生じているのではないかと予想される。この不一致を示す事は、エリートが転職を繰り返すジョブ・ホッピング現象の構造的な要因を示す事ともなると考える。 また、このテーマは多くの発展途上国に共通する要素を含んでいると考えられる。グローバル経済下では、多国籍企業の技術移転に関する経営方針に強く影響を受けながら、発展途上国の工業化が展開している。また、ジョブ・ホッピングは多くの発展途上国で共通して見られる現象である。以上より、資本移動が世界的に展開されるグローバル経済下での、発展途上国の工業化期に形成される技術者の特徴として、タイの事例は一般化される可能性を含んでいると考えられる。 このテーマに沿い、3月に東北部コンケーン大学、中部キングモンクット工科大学を訪れ、資料収集、調査の説明を行った。
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Research Products
(2 results)