2008 Fiscal Year Annual Research Report
酵素機能電極への利用に適したフラビン酵素の特性評価及び新規有用酵素の探索
Project/Area Number |
08J03618
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堤 真衣子 Kyoto University, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | フルクトース脱水素酵素 / 酵素機能電極 / 遺伝子クローニング / 酵素電極触媒反応 |
Research Abstract |
現在までに我々は電気化学バイオセンサ及びバイオ電池に利用される酵素機能電極に有用な酵素の基礎研究を行ってきた。多種多様な酸化還元酵素の中から各バイオデバイスのニーズ(高感度定量、高出力など)に適したものを見出すためには、既知有用酵素の特性を多角的に評価し、それについてより詳細な議論をすることが欠かせない。本研究では、電極との反応性が非常に高いゆえに、バイオセンサの観点からは高感度定量、バイオ電池の観点からは高出力が期待される酢酸菌由来のフルクトース脱水素酵素(FDH)を研究対象とし、遺伝子工学的・電気化学出的・分光学的手法を組み合わせた特性評価を行っている。 具体的には、本年度は昨年度に引き続きFDHの遺伝子クローニング行った。その結果、得られたアミノ酸配列より共有結合性フラビンと鉄硫黄クラスター、3つのヘムcという酸化還元コファクターが含まれることが示唆され、分光法等の手法でもその存在を確認することができた。アミノ酸配列や酸化還元コファクター構成だけでなく、各酸化還元コファクターの役割についても明らかにするために、基質が反応すると推測されるサブユニット(フラビンと鉄硫黄クラスターをもつ)のみの発現を大腸菌で試みた。その結果、このモノマータンパク質は可溶性画分に発現し、フルクトース酸化活性を有することがわかった。現在、より詳細な議論を行うため、変異体酵素の安定な発現及び精製系の構築を試みている。
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Research Products
(7 results)