2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J04946
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
平井 雅代 Hokkaido University, 大学院・農学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 花器官形成 / 改変ABCモデル / 単子葉植物 / 花芽形成 / MADS-Box遺伝子 / LFY-like遺伝子 |
Research Abstract |
まず、改変ABCモデルにおけるクラスB変異体であると期待できるチューリップの品種群の解析により、2つのクラスB DEF-like遺伝子の発現量低下が花被片の緑色化に関与していることが示唆された。 また、ABCDEモデルにおいて花弁形成に関与するとされている遺伝子に着目し、野生種(Alstroemeria ligtu)においてRT-PCR法などによる発現場所を特定およびシロイヌナズナへの形質転換の結果から、クラスA,クラスE遺伝子はアルストロメリアではモデルとは異なる発現パターンを示すこと、AGL6-like遺伝子は花被形成と何らかの関わりがある可能性と、クラスAとクラスC遺伝子の拮抗関係に作用している可能性が示唆された。 そして、花序分裂組織から花芽分裂組織への切り替えの部分に異常がある変異体品種における遺伝子の発現解析により、変異体品種では調査した7遺伝子のうち3遺伝子で変異体での発現量減少が確認された。その中でも、AlsLFYは変異のカギとなる花序形成開始期から発現量が減少しており、変異の原因遺伝子の候補として有力視できそうである。 <まとめ>単子葉植物における花芽および花弁状花被形成に関する考察 二層の花弁状花被を持つ単子葉植物に関して、近年様々な植物種においてクラスB遺伝子の発現解析がなされ、改変ABCモデルを支持する結果が示されてきたが、本研究では更に変異体の研究を行うことで、クラスB遺伝子と二層の花弁状花被形成の関連性を強く示すことが出来た。一方でクラスA,E,AGL6-like遺伝子等の調査により他の遺伝子に関しては単純に改変ABCモデルだけで説明することが困難であることを浮き彫りにした。今後、更に詳細な調査や、他の植物種を使った調査により、より高次のモデルを構築することが望まれる。
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Research Products
(2 results)