2009 Fiscal Year Annual Research Report
流動試験装置を用いた高温液体金属中の物質の拡散と輸送の研究
Project/Area Number |
08J05929
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
名倉 勝 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 核融合 / 液体金属 / 腐食 / セラミックス / 流動試験 / ブランケット / リチウム / MHDコーティング |
Research Abstract |
核融合炉ではブランケットと呼ばれる機器で液体金属リチウムや鉛リチウム合金を高温で循環させるが、これらの高温液体金属は反応性や他の金属溶解度が高いために多くの材料を腐食することで知られている。本研究では各種材料の基本的な腐食挙動を解明するとともに、温度勾配と流動のあるリチウム中で各種物質がどのように拡散や輸送されるのかを試験することを目的とした。本年は液体リチウムブランケットシステムでの使用が検討されている絶縁セラミックス材料の化学挙動に関して、流動試験装置を用いた防食試験を行った。また、流動鉛リチウム合金における三重水素の拡散・透過挙動を調べるための流動試験装置を新たに設計製作した。 液体金属リチウムの研究において、これまでリチウム中の酸素濃度がセラミックスの腐食速度に大きな影響を与えることが明らかになってきた。そこで酸素回収装置を装備した液体金属リチウム流動試験装置を製作し、流動場においてもリチウム中の酸素濃度を減らすことで防食が出来るか試験を行った。その結果、セラミックスの腐食量は有意に減少した。このことから、酸素回収装置により流動リチウム中の酸素が低減されて防食効果を得たことが確認されたと言える。 液体鉛リチウム合金の研究に関しては、流動鉛リチウム合金から三重水素の拡散挙動や配管への透過挙動の解明が求められている。本研究では三重水素を生成しつつ、リアルタイムで拡散・透過挙動を測定することを目指して、小型の流動試験装置の設計製作を行った。この小型鉛リチウム循環装置は原子炉内に設置することで、流動鉛リチウムからの三重水素生成・透過試験を行うことが出来る。既に炉外における試験運転を終えており、今後中性子照射試験を行っていく。
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Research Products
(7 results)