2008 Fiscal Year Annual Research Report
バラ科植物における自家不和合性関連遺伝子の同定と解析
Project/Area Number |
08J06206
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
角井 宏行 Chiba University, 自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 自家不和合性 / リンゴ / ナシ / 形質転換 / 花粉S遺伝子 |
Research Abstract |
<リンゴS-RNaseを用いた新規S遺伝子型決定法の開発> リンゴは自家不和合性を有するためリンゴの栽培現場では人工授粉を行って結実させている。この人工授粉はリンゴの栽培上短期的に最も多くの労働力を有する作業であり、新たに育成した品種やS遺伝子型が未知の品種に関してS遺伝子型を決定することは栽培・育種上重要な情報である。以前までにリンゴではSハプロタイプ特異的プライマー法を用いたSハプロタイプ決定法を用いていたが、DNAの量や質による偽陽性/偽陰性がしばしば問題になってきた。この点に関してCAPS法を用いれば偽陽性/偽陰性の問題を解決できる。そこで今回リンゴで知られている22のSハプロタイプを判定できる新規のCAPS法を開発した。今回開発した方法を用いることでより確度の高いS遺伝子型判定ができると考えられた(Kim et al.2009 Mol Breeding)。 <ナシ形質転換体の作製> ナシおよびリンゴから単離された花粉S遺伝子候補SFBBを用い、これらの遺伝子が実際に花粉S遺伝子としての機能を持つかどうかを明らかにするために形質転換実験を行っている。この実験は最終的に形質転換体の花粉が和合化するかどうかを検定するため、形質転換体の花芽形成が必要であるがナシ・リンゴは木本植物であるため通常開花が遅い。そこで、SFBB遺伝子と同時に開花抑制遺伝子の発現抑制カセットをアグロバクテリウム法を用いてセイヨウナシ'バラード'に導入した。 これらのカセットを導入した系統に関してはさらに培養を続け、花芽が付き次第自家授粉を行い自家不和合性の有無を解析する。
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