Research Abstract |
現代日本は憂慮すべき高齢社会に突入しており,各種疾病の予防効果がある高機能性食材の研究は重要な課題である。特に主食となる穀物の機能性に関する研究は急務であり,穀物粒内部の機能性物質の分布やその生理的変化を解明することは,加工方法や医薬品への実用性が高いだけでなく,栽培法や育種などへのフィードバック(機能性物質の増加)も期待される。 そこで本研究では,成分に固有な蛍光指紋とも呼ばれる励起蛍光マトリクス(EEM)を応用しに着目し,光学的手法によりソバ果実粒における機能性物質の局在可視化とその生理的変化の解明を目指した。なお、,本年の成果は主に下記2点に集約される。のためのアルゴリズム構築 I.励起蛍光マトリクスを応用したソバ果実内部組織の解析 当研究室で開発をした3次元内部構造可視化システム(3D-SIS)を用い、,ソバ粒断面におけるEEMを計測し、,得られた3次元データを主成分分析によりり解析することで,することで,種・品種特有の蛍光パターンの抽出に成功した。の抽出を行った。ソバ果実断面から得られたEEMデータを品種毎に主成分分析により解析することで,膨大な3次元データを新たな主成分軸に圧縮し,ソバ果実の蛍光成分を説明する波長条件を含んだ軸の算出を行った。さらにまた,寄与率の高い上位3つの主成分軸を抽出し色空間軸に置き換えることた。このことで,品種毎にに組織に特異的な蛍光波長を説明する軸を作成することになり,胚,胚乳,種皮,果皮外皮などのソバ果実粒の内部構造をの2次元の疑似カラー画像化を達成した化することに成功した。 II.機能性物質の可視化のために画像解析プログラムの改良 従来の画像解析プログラムでは,取得画像全域を可視化対象にしていた為に,目的画像から得た主成分結果を正確に描画することができなかった。そこで従来の画像解析プログラムでは,取得画像全域を可視化対象にしていた為に,目的画像から得た主成分結果を正確に描画することができなかった。そこで解析対象のみを描画するプログラムの改良を行った。その結果,主成分分析の結果を正確に反映した画像を作成により,蛍光成分による果実内組織の識別が可能になった(図1)。 従来の画像解析プログラムでは,各画像で個別に色付けを行っていたために,可視化した画像間で相互にの蛍光特性を比較することは不可能であった。そこで全て多品種のソバ果実のから得た主成分分析の軸を作成・し固定し画像適応させることですることで,複数の蛍光物質を固有の色で描画することが可能になり,った(図2)。蛍光成分による果実内組織の識別が可能になった。 さらに,固有の軸を各画像に適応することで多数サンプルの成分の相互比較を可能にした。本システムの改良によりそのため,本システムを応用することで,品種・種の成分比較や栽培条件による成分分布の比較や貯蔵条件や収穫時期の違いによる成分変化の追跡などへの発展発展の可能性がが考えられる示された。
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