2008 Fiscal Year Annual Research Report
白血球走化因子LTB4を認識する受容体の発現制御に関する研究
Project/Area Number |
08J06259
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 智美 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 白血球 / LTB4 / BLT1 / 転写 / プロモーター |
Research Abstract |
(1)好酸球系細胞株(HL60C15、EoL-1)で作動するBLT1遺伝子プロモーター領域が過去に報告されたものと同一かどうかを確認する。 (1)reporter gene assayの結果より、好酸球系細胞株(HL60C15)におけるBLT1遺伝子プロモーターがこれまでに報告されているものと同一である事がわかった。 (2)さらに好中球系細胞株(HL60:HL60C15の親株である)でも、同一のBLT1遺伝子プロモーターが機能している事を明らかとした。HL60はレチノイン酸刺激を受けるとBLT1の発現が上昇する事がこれまでに報告されており、血球分化に伴うBLT1の発現制御を調べるには非常に良いモデルであったため以後の実験はHL60を用いて行う事とした。 (2)この細胞株での主要な転写促進エレメントをレポーターアッセイによって決定する。 (1)プロモーター周辺にはレチノイン酸刺激に呼応して転写活性の促進に関わる領域は無かった(reporter gene assayより)。私は、他にレチノイン酸応答領域がある事を予測し、周囲の遺伝子配列の調査とDNase Hypersensitivity assayを用いたレチノイン酸刺激によるDNase高感受性領域の探索を行った。 (2)BLT1遺伝子周辺の配列調査を行ったが、レチノイン酸応答エレメント(レチノイン酸受容体RAR,RXR結合配列)は見つからなかった。 (3)レチノイン酸刺激時にDNase高感受性となる領域を探索した結果(DNase Hypersensitivity assayより)、intron-IとExon-IIの境界領域をその該当箇所として特定した。 (4)DNase Hypersensitivity assayにより特定した領域がBLT1プロモーター領域に対して転写促進活性(エンハンサー活性)を持つ事はreporter gene assayによって確認した。 (3)転写促進エレメントへの結合因子の存在をGel shift assay等の技術を駆使して確認する。 (1)上記で同定された領域には転写因子Runx1結合配列が含まれており、これはマウスの遺伝子上でも保存されていた。今後は、この領域にRunx1が結合しBLT1の発現制御に関わっているのか、Gel shift assayやChIP assayを行って調べる予定である。
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Research Products
(2 results)