2009 Fiscal Year Annual Research Report
ポリコーム遺伝子Bmi1による造血幹細胞の自己複製と分化の制御メカニズムの解明
Project/Area Number |
08J07957
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小黒 秀行 Chiba University, 大学院・医学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 造血幹細胞 / ポリコーム遺伝子 / 分化制御 |
Research Abstract |
多種の幹細胞の自己複製能の維持において必須であるBmi1の新規の標的遺伝子を探索するため、以前に造血幹細胞を用いて網羅的遺伝子発現解析を行い、幾つかの新規の標的遺伝子の候補を発見した。その中で、B細胞初期分化において中心的に働くEbf1とPax5の遺伝子発現をBmi1が直接抑制していることをクロマチン免疫沈降にて確認し、ヒストンのメチル化状態がBmi1欠損未分化造血細胞において活性化状態に変化していることを明らかにした。また、Bmi1欠損造血幹細胞におけるPax5の脱抑制を免疫染色にてシングルセルレベルで定量化し、ほぼ全ての細胞でタンパクが発現していることを示した。さらに、Bmi1欠損造血幹細胞において脱抑制しているEbf1をノックダウンすることにより造血幹細胞分画の低下、B細胞分画の増加の表現系がレスキューされることを示した。 また、Bmi1欠損造血幹細胞を骨髄移植すると原発性骨髄繊維症を引き起こすことを見出してしている。網羅的遺伝子発現解析を行った結果、あるホメオティック遺伝子の発現をBmi1が直接制御していることを確認した。原発性骨髄繊維症の発症に関わる分子メカニズムに関しては未だ不明であることから、これらの遺伝子の機能解析を行うことで発祥にかかわる新しい原因遺伝子を示すことができると考えている。
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