2008 Fiscal Year Annual Research Report
導波管貫通法による生体材料等の誘電特性評価とミリ波温感閾値に関する研究
Project/Area Number |
08J09155
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
香西 将樹 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ミリ波 / 温感 / レンズアンテナ / 電磁界 / 曝露計算 / 生体熱輸送方程式 |
Research Abstract |
本年度は、温感閾値測定実験データの蓄積および温感メカニズムの解明、サーモグラフィによる実験時の温度分布測定、温感および熱傷と照射パワー、照射面積などとの関係の評価を目的として研究を行った。 被験者20名に対してレンズアンテナを用いた恒常法による60GHzミリ波温感閾値の測定実験を行った。実験はミリ波温感の曝露面積依存性について検討を行うために、曝露位置を変化させることで各被験者について複数の曝露面積での実験を行った。また同時に、入射電刀と照射時間、温度上昇の関係を見るために実験時には曝露位置をサーモグラフィによって撮影した。 被験者実験の結果を元に温感の生じる確率がレンズアンテナへの入射電力に対して対数正規分布をするという仮定で、50%の温感閾値を最尤推定により求めた。その結果、多くの被験者において皮膚表面での最大入射電力密度を基準としたとき曝露面積が大きくなると温感閾値は小さくなることを確認した。また、温感閾値の個人差が大きいことが確認できたが、同時に温度上昇の個人差も大きいことがわかった。 われわれはミリ波曝露による数値シミュレーションもすでに行っているが、数値シミユレーションにおいては生体の発汗作用や皮膚表面からの放熱、血流の差により、生体の温度上昇に大きな差が出ることがわかっている。本年度実施した温感閾値測定実験と数値シミュレーションを関連付けるために、今後は数値シミュレーション各パラメータの温度上昇に及ぼす影響について検討を行っていく予定である。
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Research Products
(6 results)