2008 Fiscal Year Annual Research Report
イオン液体を媒体とする菌体触媒を用いた非水系バイオプロセスの構築
Project/Area Number |
08J10593
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 悦司 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | イオン液体 / 菌体触媒 / スクリーニング / 非水系 |
Research Abstract |
疎水性有用物質を高効率且つ省エネルギーで生産するため、疎水性化合物を高濃度で溶かしこむ性質を持つイオン液体中を用いて、菌体触媒を用いたバイオプロセスを構築することが本研究の目的である。しかしながら、イオン液体の毒性により菌体がダメージを受け、補酵素再生を伴う酵素反応が進行しない場合もある。そこで、イオン液体に耐性のある菌を土壌及び天日塩から新規にスクリーニングすることを試みた。天日塩を用いた理由として、高濃度の無機塩中で生育できる菌は浸透圧に対して耐性があり、高濃度のイオン液体中でも生育できる菌体を得られる可能性があるからである。イオン液体は水溶性の1-ethyl-3-methylimidazolium chloride(C2MImCl)及び疎水性の1-butyl-3-methylimidaozlium hexafluorophosphate(C4MImPF6)を用いた。土壌からスクリーニングを試みた結果、50%w/vのC2MImClを含むLB培地中でも生存可能な菌株が得られた。この菌株の16S rRNA解析したところ、Bacillus soliやBacillus djibelorensisと近縁な菌株だと分かった。また、天日塩からもスクリーニングを試みたところ、Pontibacillus属の新種と考えられる菌が得られた。新規菌株のスクリーニングと並行し、既存の菌株(高度好塩菌、大腸菌など)のイオン液体耐性を調べた結果、生菌数はコントロールと比べて減少するもののHalobacterium sp.NRC-1やHaloarcula amylolytica等数種類の高度好塩菌ではC2MImClに耐性が見られた。一方、浸透圧や有機溶媒に特に耐性のない大腸菌を用いたところ、100%v/vのC4MImPF6に対してもある程度の耐性が見られた。
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Research Products
(2 results)