2008 Fiscal Year Annual Research Report
SETD2の大腸癌発生における遺伝子発現制御機構の解析
Project/Area Number |
08J10956
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷上 賢瑞 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 遺伝子発現制御 / 転写因子 / 大腸癌 |
Research Abstract |
本研究では、大腸癌発生時における転写プログラムの異常を解明することに焦点を当て、まず様々なデータベース及び、マイクロアレイデータを統合したin silicoスクリーニングによって、大腸癌発生に関与する新規転写制御モチーフAを推定した。そして、酵母ワンハイブリッド法を用いて、同モチーフに結合するSETD2を同定した。スクリーニングによって得られたSETD2は、現在までヒストンH3 Lys36メチルトランスフェラーゼ活性及び、リン酸化されたRNAポリメラーゼIIと相互作用して転写開始に関与することが確認されている.そこで、SETD2が、実際にモチーフAを介して、ターゲット遺伝子の発現を制御しているかを確認した。まず、ターゲット遺伝子の転写開始点から上流-1000塩基をプロモーター領域としてクローニングしたレポータープラスミド(WT)、及びモチーフAを欠失させた変異型プラスミド(MT)を作製した。そして、SETD2を強制発現させることによって、大腸癌細胞株SW480においてルシフェラーゼ活性に差が見られるかを確認したところ、WTではSETD2の強制発現によってルシフェラーゼ活性の増強が確認されたが、MTではSETD2の強制発現によるルシフェラーゼ活性の増強は確認できなかった。以上の結果より、SETD2は大腸癌細胞株において、モチーフAを介してターゲット遺伝子の発現を変化させることが示唆された。
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