2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J56661
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
キム ウォンスル Tokyo Polytechnic University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 風洞実験 / 高層建築物 / 外装仕上材用風荷重 / 相互干渉効果 / 風圧係数 |
Research Abstract |
近年,高層建築物等を建設する際には,1棟だけでなく同様の高さ,形状の建物を多数建設する場合が多く見られる。その結果,建築物が単独である場合と風の作用が異なり,風下側にある建築物では,風上側の建物の相互作用により,外装材に作用する風圧が増大する場合がある。しかしながら,これまでの研究は全て後流振動や建物全体に作用する風力など構造骨組用の風荷重に関するものである。本研究の目的は隣接建築物がある場合,高層建築物の外装材の設計手法を確立することである。 1.隣接建築物によって生じる相互干渉効果に関する文献調査 相互干渉の影響について,建築物の形状,規模,周辺建物の位置,風向など非常に多くのパラメータが考えられるためである。また、外装材のピーク風圧に与える隣接建物の影響を調べた研究は行われていない。 2.各国の外装材設計の風荷重基準に関する調査(ピーク外圧係数,ゾーニング等) 各国の風荷重基準の多くは,独立した建物模型の風洞実験結果を基に定められている。しかし,高層建物が隣接する場合は局部荷重また全体荷重がかなり低減もしくは増加される場合がある。 3.種々の位置に隣接建築物がある場合の風圧実験の実施およびピーク風圧係数の変化 隣接建物無しと隣接建物有りの最大、最小ピーク風圧係数を比較した。荷重指針においてビルのコーナー部では隣接建物無しと比較して、16%程度負圧が大きくなった。また、隣接建物が離れるにしたがって値が小さくなった。ビルのセンター部では隣接建物無しと比較して、増加率が最大となり、約1.04であった。隣接建物無しと比較して、わずかではあるが負圧が大きくなった。コーナー部と比べるとセンター部の方が、隣接建物位置による影響は小さかった。最大ピーク風圧係数は、どの測定点高さでも隣接建物無しと同様である。ただし、最上部と最下部では、最大ピーク風圧係数が多少大きくなった。
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