1998 Fiscal Year Annual Research Report
QOLの向上を支える看護の役割に関する日米比較研究
Project/Area Number |
09045029
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Research Institution | Tokyo Women's Medical College, Junior College Nursing |
Principal Investigator |
尾岸 恵三子 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (30141229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WAKIM Judith ミドルテネシー州立大学, 看護学部, 教授
猪熊 京子 東京女子医科大学, 病院・看護部, 婦長
久田 満 東京女子医科大学, 看護学部, 助教授 (50211503)
佐藤 紀子 東京女子医科大学, 看護学部, 助教授 (80269430)
寺町 優子 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (30188685)
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Keywords | 安楽 / QOL / ケアリング / KOLCABA / 安楽の指標 |
Research Abstract |
本年は、米国における調査対象の少ない現状を通して、調査方法の検討からスタートした。また、調査の方法を検討する上でも、文献検索が重要であることから、前期は文献による研究会と、昨年度までの調査結果を吟味した。以上の検討から、本年度は、調査方法を患者自身の記入による調査方法に変更することに決定した。調査項目の検討にあたり以下の点を考慮した。 1. 現在までの研究成果の積み重ねになるように配慮する 2. 対象者が直接回答することから、説明なしでも十分に回答しやすいものとする 3. 対象者が疲労なく回答できる質問項目の数に減らす工夫をする 4. 調査項目の英訳、和訳についても再評価し、両国間の認識のずれがないように確認する 5. 対象者の障害の種類は、過去の領域の対象者と同じとする 6. 調査施設として、日本国内においては、前回よりも広げて、北海道から九州までの広範囲とする。また、施設の規模は、医学部附属の総合病院と地域に根差した小規模な病院を考える 米国においては、総合病院と地域の中心に位置しているような病院を選択することとする 7. 調査施設として、前回に行った施設は、再び調査の対象とする 8. 調査終了後は、時間の許す限り各施設の代表者とのワークショップを実施しまとめる 以上の検討の後に、調査項目を前回の96項目から、約半分の45項目とした。Kolcabaの「安楽」の指標では、「安楽でない状態を軽減するための処置」12項目、「安心や満足を提供する処置」21項目、「成長を増強または刺激する処置」12項目の45項目に分類される。 プレ調査は、東京女子医科大学の外科病棟の患者を対象に実施した.回答は、a「あなたの安楽のために重要なことですか。」、b「あなたの安楽のために看護婦は行っていますか。」と各々別々に5段階にて回答する方法とした。この点に付いては、薬などにおいて、自己管理として手渡されていた対象者において、bについての回答に戸惑いを持たれ質問があった。この場合の回答としては、どちらともいえないという3段階の回答とする合意を得た。他の調査項目に付いては、円滑な回答が得られたと考え、調査用紙の印刷および調査を2月に開始した。米国においては、DR.Judith.Wakimの夫君の回復が望まれなぬ極めて重体であるため、DR.Suzann.Prevostの協力を得、また、渡米、招聘の工夫をしてきたが、調査項目の最終確認に手間取り調査開始が遅れたことは仕方のないことと考える 現在は、調査の依頼と発送を実施しており、4月から5月において終了する予定である。尚、調査開始までの文献研究会においては、「COMFORT」の研究に付いての年次別に変化があることを理解した 「COMFORT」は、1900年から1929年頃においては、看護の倫理的課題として取り扱われており、1960年から1980年代では、看護の中心的課題から離れていった様に思われる。1990年代になり、対象者の身体的な安楽と同様に情緒的な安楽が叫ばれ、重要性が再び認識される様になってきた。現在は、QOLやケアリングの側面からも注目され、看護の重要な要素としても研究継続の必要性が示唆された
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