1999 Fiscal Year Annual Research Report
顎機能障害に対するロボット開閉口訓練装置の開発ならびに臨床適用に関する研究
Project/Area Number |
09557165
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
大月 佳代子 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (20185325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高西 淳夫 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50179462)
大西 正俊 山梨医科大学, 医学部, 教授 (50014139)
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Keywords | 開閉口訓練ロボット / 咀嚼ロボット / 開閉口訓練 / 下顎運動障害 / 顎機能障害 / 開口障害 / 下顎の回転・滑走運動 / 咀嚼筋 |
Research Abstract |
本研究は、顎関節の障害をはじめ、種々な原因に起因する下顎運動障害に対する治療用の機能訓練ロボットを開発し、開閉口訓練システムを確立することを目的としている。開閉口障害患者に対しては、機能訓練の一環として開口訓練が行なわれているが、従来の開口訓練機は、単に開口距離を拡大する単純な機構からなっており、生体の本来の下顎運動が考慮されていなかった。これに対し、本研究では人間の生理的下顎運動をコンピューター制御によりコントロールする咀嚼ロボット(Waseda Jaw)を応用している。咀嚼ロボットは、下顎の持つ本来の動きである開閉口時の運動過程の下顎の回転運動、滑走運動を正確に再現し、さらに咀嚼のための咬合力をもたせた機構を有している。我々は、咀嚼ロボット開閉口訓練装置として1自由度の1号機(1996)の開発を契機に3自由度の2号機、3号機と改良をすすめ、下顎の開閉口・前後運動・左右運動をもつ4号機、さらには5号機の開発に至った。 WY-5は、6自由度パラレルメカニズムを有し、生体の下顎とほぼ同等の作業領域と咬合力を発生し、下顎運動の再現を可能とした機構である。術者の操作により患者の上下歯列に装着したロボット端子で、上下、前後、左右運動とともに咬合反力を感知しうる機構である。さらに従来の直線的な力指令による開閉口訓練に加え、下顎軌道により即した開閉口訓練を可能とした。これにより、従来スプリントタイプの点接触的な患者側の剛性機構に対し、面接触での剛性機構となり、開閉口訓練の能率化と精密さを向上させるとともに、患者に対しての負担が軽減された。 適用対象は、顎関節疾患(線維性癒着症)による関節性あるいは、下顎骨骨髄炎、顎顔面外傷などの瘢痕性開口障害症例などと考えている。
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