1998 Fiscal Year Annual Research Report
高密度プラズマを用いた大面積多結晶シリコン薄膜の低温形成
Project/Area Number |
09558055
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
豊田 浩孝 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (70207653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 雅俊 松下電器産業(株), 中央研究所, 主任研究員
中村 圭二 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (20227888)
菅井 秀郎 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (40005517)
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Keywords | 多結晶シリコン / 誘導結合プラズマ / 低温形成 / 高密度プラズマ / 高速堆積 / 大面積堆積 |
Research Abstract |
多結晶シリコン(poly-Si)膜は水素化アモルファスシリコン(a-Si:H)膜をはるかにしのぐ高い移動度を持つことから優れた薄膜トランジスタ(TFT)の作成が可能であり、集積化に適したデバイスといえる。しかしpoly-Si膜生成においてはこれまでのところ低温で大面積の膜生成をおこなうという2点を両立させる手法が確立されていない。本件級は誘導結合方プラズマを用いることにより300℃以下の低温でpoly-Siの作成をおこなう手法を確立することを目的としており、本年度は以下の点について研究を行った。 1) 透過電子顕微鏡を用いた結晶性のより詳しい評価 結晶性のより詳しい評価については、これまでX線回折測定から間接的にしか評価していなかった結晶粒径について、透過電子顕微鏡測定により結晶粒径の評価を行うことができた。その結果、コラムナー状の200nm近い結晶が得られていることを確認できた。これは、従来のプラズマ直接生成による多結晶シリコン膜生成にはない極めて大きな粒径である。 2) プラズマ中のイオン組成測定 さらに成膜に寄与する粒子を調べるために、質量分析器を用いたイオンフラックスの測定を行った。その結果、成膜にイオン種が大きく寄与している可能性があること、またSiH_X^+イオン組成そのものの変化は膜の結晶性にあまり影響していないことを確認した。 3) 大面積成膜をめざした装置の改造 大面積多結晶シリコン膜生成をめざして、真空容器の大型化の改良を行った。装置の大型化によるプラズマ条件の変化やそれに伴う膜質の劣化が懸念されたが、放電電力の増加により、従来と同程度のプラズマ密度を得ることができ、また膜の結晶性にも大きな違いがないことを確認した。また半径10cmの範囲内で得られた膜が多結晶シリコン膜であることを確認できた。
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