1999 Fiscal Year Annual Research Report
低速多価イオン・分子衝突における多電子移行断面積のスケーリングに関する研究
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09640495
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
日下部 俊男 近畿大学, 理工学部・原子炉工学科, 助教授 (30140297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 洋太 近畿大学, 原子力研究所, 教授 (10268469)
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Keywords | 多電子移行反応断面積 / 低速多価イオン / 核融合エッジプラズマ / 炭化水素分子 / 生長率法 / スケーリング / 小型EBIS多価イオン源 |
Research Abstract |
本年度は,昨年度に引き続きプロトタイプのmicro-EBISを用いたNe^<2-6+>イオン-C_6H_4[アレン],C_3H_4[プロピン],C_3H_6,(CH_2)_3,C_3H_8の各分子衝突系およびAr^<2-9+>-CH_4,C_2H_6,C_3H_8の各分子衝突系における一電子および多電子移行反応断面積測定をそれぞれ行った。イオンの入射エネルギーは,昨年度と同様に,イオン源の構造上の問題から加速電圧2kVでのみとし,断面積の入射イオン価数qに対する依存性を検討した。 1.Ne^<2-6+>イオン-C_6H_4[アレン],C_3H_4[プロピン],C_3H_6,(CH_2)_3,C_3H_8の各分子衝突系: 5電子移行まで断面積の解析ができた。 2.Ar^<2-9+>イオン-CH_4,C_2H_6,C_3H_8の各分子衝突系における電荷移行反応断面積測定: C_3H_8では,参考値ながら,7電子移行反応断面積まで解析できた。 昨年度のNeイオンに対する結果も交えて,以下のことが判明した。 (a)1電子移行反応断面積:qや標的分子の第1イオン化ポテンシャルI_1に対する我々の過去のスケーリング則の近傍にやはり収まることが分かった。 (b)全電荷移行断面積:すべて古典的オーバーバリア模型の上・下限値の範囲内に収まり,NICEグループの木村らの提唱しているスケーリング則の近くに位置することがわかった。 (c)多電子移行反応断面積:Arでは,過去に京大工によって測定されたKrやXe多価イオンに対する断面積と,絶対値およびq-依存性共に極めて類似性がある。それに対しNeでは,電荷移行数kが大きくなるほど断面積値が極めて小さくなっている。しかしNeだけについてのスケーリング則は作成できそうである。 今後,更にArの多価イオンで他の炭化水素分子衝突系に対する断面積測定を実施していく予定である。また,炭素や酸素の多価イオンについても実施していく。これらによってNeとAr,Kr,Xeとの多電子移行反応断面積の相違性を検討する。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 日下部俊男: "Single-and Double-Charge Transfer by He^<2+> Ions in Collisions with N_2,O_2,CO and CO_2 Molecules in KeV Energy Region"XXI-ICPEAC,Abstracts of Contributed Papers. 624-624 (1999)