2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J00084
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山崎 弘恵 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | モデル開発 / 大気モデル / 数値実験 / 超高解像度 / 急峻地形 |
Research Abstract |
本研究の目的は、修士過程に引き続き、地形が急峻になりやすい超高解像度においても、大気現象の高精度な再現が可能な次世代大気モデルを開発することである。修士課程においては、その第一歩として、超高解像度における急峻地形の効果を高精度に表現できる鉛直結合shaved cell法を考案し、この方法を実装した二次元大気領域モデルを新たに開発した[Yamazaki and Satomura 2008]。博士課程の三年間を研究期間とする本課題では、この二次元大気領域モデルに必要な追加改良を加えて、実際の大気現象に適用可能な三次元大気領域モデルを開発する。また、モデルの有用性を実証するため、現実の地形データを用いて実験を行い、その先進性・有用性を示す。 第一年度目である本年度は、以下のような経過で研究を進めた。まず、三年間を通じて行うモデル開発作業を迅速に進めるため、適切なモデル開発用計算機を購入した。これを用いて、修士過程で開発した二次元大気領域モデルの鉛直結合shaved cell法に改良を加え、急斜面上の小さなセルは鉛直ではなく水平に結合させるようにした。この改良により、本研究のモデルは非常に急峻な斜面に対しても精度良く再現実験が行えるようになった。このことを確認するため、釣鐘型や半球形状など幅広い斜度をもつ山岳まわりの流れに加えて、絶壁に近い崖まわりの流れの再現実験を行い、改良後のモデルが非常に急峻な地形を含む様々な斜面上の流れを高精度に再現出来ることを示した。この数値実験には、京都大学大型計算機を利用した。次に、水平結合セルの導入のアイデアと、行った山岳波再現実験の結果について国内外の複数の学会で発表した。さらに、これらの結果は国際学術誌に投稿済みで、査読も順調に進んでいるなど、計画通りの研究成果を挙げることができた。
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Research Products
(3 results)