2009 Fiscal Year Annual Research Report
動物細胞を用いた新規完全ヒト抗体ディスプレイ法の開発
Project/Area Number |
09J01321
|
Research Institution | Kyushu University |
Research Fellow |
富松 航佑 Kyushu University, 農学研究院, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | ヒトモノクローナル抗体 / 動物細胞ディスプレイ法 / 抗体生産 |
Research Abstract |
動物細胞ディスプレイ法を構築する上でまずプラスミドベクターの作製を行った。pcDNA5FRTをバックボーンとして、抗体重鎖および軽鎖2つの遺伝子を組み込んだ。この二つの構造遺伝子の間には内部リボソーム進入部のエレメントを介在させ、これらの遺伝子を一つのプラスミドからバイシストロニックに発現させ得るように設計を行った。抗体重鎖遺伝子の下流にはトランスメンブレンドメイン(TM)の遺伝子を配置することによって動物細胞膜表面へのIgGの提示を可能とした。TMは2カ所のloxP配列で挟み、提示したIgGを分泌型に切り換えられるよう設計を行った。loxP配列に関しては、抗体重鎖定常領域に余剰なアミノ酸配列を付加しないようイントロン内部に隠し、通常はスプライスアウトされるよう設計を行った。作製したプラスミドはFlp-Inシステムを用いたトランスフェクションで動物細胞に導入を行った後、動物細胞膜表面へのIgGの提示および提示されたIgGの抗原認識能はフローサイトメトリーによって確認された。提示された抗体はCreリコンビナーゼのトランスフェクションにより膜型から分泌型へ切り換えられ、その遺伝子の組換えはPCRによって、組換えによって分泌されたIgGはELISA法によってそれぞれ確認された。抗体重鎖定常領域下流のloxP配列はスプライシングで除去されている事がPCRにより確認された。これらよりIgGが適切な形で動物細胞表面に提示されている事、提示した抗体を分泌型に非常に簡単な方法で切り換える事が可能である事から、抗原特異的抗体のスクリーニングから産生まで一貫して動物細胞で行える事がこの研究によって示された。
|
Research Products
(2 results)