2009 Fiscal Year Annual Research Report
ブタの新規発情同期化法の開発と高度繁殖技術への応用
Project/Area Number |
09J02844
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
野口 倫子 Azabu University, 獣医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ブタ / 発情同期化 / 偽妊娠 / エストラジオールプロピオン酸エステル |
Research Abstract |
本研究は、実用化に至るブタの新規発情同期化技術を開発し、生産性向上のための有用な手段の確立を目指すものである。本年度は、エストラジオールプロピオン酸エステル(EDP)により誘起された偽妊娠豚を利用した発情同期化法の有用性について検討を行った。まずEDPの投与用量(10~30mg)および投与時期(排卵後5~13日目)を変えてブタに投与し、偽妊娠誘起のための至適条件を検討した。 その結果、EDPの単回投与により、ブタに偽妊娠を誘起することが可能であり、特にEDP20mgを排卵後8~11日目に単回投与すると、80%以上のブタで偽妊娠が誘起されることが示された。続いて、EDPにより作出した偽妊娠豚へのプロスタグランジンF_<2α>(PGF_<2α>)投与計が、黄体退行および発情同期化に及ぼす効果について検討した。発情発現はPGF_<2α>処置後4~7日目に90%の偽妊娠豚で認められた。偽妊娠豚にPGF_<2α>処置した後の卵胞発育および生殖内分泌動態は、正常発情周期中の黄体後期から卵胞期にかけてのものと同じ傾向を示した。偽妊娠豚にPGF_<2α>処置した後に排卵した卵胞数は、自然発情豚の排卵数と同等であった。さらに、新規発情同期化処置を施したブタに人工授精を実施した結果、受胎率および平均産分数は自然発情豚に人工授精を行った場合と同等であった。以上の結果より、EDP処置によって作出した偽妊娠豚にPGF_<2α>を投与すると、投与後一定期間内に発情発現を誘起できることが明らかとなった。さらに、EDPとPGF_<2α>。を組み合わせたブタ発情同期化法は繁殖性に影響を及ぼさないことが判明した。これらの結果より、EDPとPGF_<2α>を利用した新たな発情同期化技術は、簡便かつ有効な方法であることが示された。
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Research Products
(2 results)