2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J02930
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤井 俊太朗 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 薄膜トランジスタ / レーザー結晶化 / 基板バイアス / 移動度 / 歪 |
Research Abstract |
多結晶シリコン薄膜トランジスタの高性能化のためには、単結晶シリコントランジスタと同様に、ゲート長の縮小が有効である。しかし、通常構造の薄膜トランジスタは基板端子やバックゲートが無く、待機時のリーク電流抑制に有効な基板バイアス効果を利用することができなかった。また、連続発振レーザーラテラル結晶化は、平均長さ20μmの大きなグレインを形成することができ、薄膜トランジスタの高性能化に有効な手段である。これまでに、連続発振レーザー結晶化によってシリコン膜中に引っ張り歪が発生することがわかっていたが、その電気特性への影響が明らかになっていなかった。本研究では、独立ダブルゲート構造の薄膜トランジスタを作製し、バックゲートによる閾値電圧の制御と上下界面の移動度を調べた。 独立ダブルゲート構造においては、基板バイアス条件によって、スタンバイ状態とアクティブ状態の2種類の状態が存在する。作製した薄膜トランジスタの基板感度は、スタンバイ状態、アクティブ状態の両方とも、理論値と同じ値を得ることができた。このことから、連続発振レーザー結晶化多結晶シリコン薄膜トランジスタにおいても、単結晶シリコントランジスタと同様に基板感度を設計することができることがわかった。 X線回折のIn-plane測定において入射角を変化させ、ピーク角の入射角依存性を詳細に調べたところ、表面付近よりも下地膜との界面付近の方が大きな引っ張り歪が発生していることがわかった。上下界面の移動度を比較したところ、下側界面の方が1.2倍大きな移動度が得られた。この1.2倍という値は、単結晶シリコントランジスタで使用されている歪技術による移動度の増加率と同程度であるので、表面よりも下側界面の移動度が大きかった理由は、面内引っ張り歪の膜厚方向の分布によると考えられる。
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Research Products
(3 results)