2009 Fiscal Year Annual Research Report
韓国人日本語学習者の促音の知覚及び生成に関する実験音声学的研究
Project/Area Number |
09J05072
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鮮于 媚 Waseda University, 国際情報通信研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 促音 / 韓国語を母語とする日本語学習者 / 聴取訓練 / 般化作用 / 知覚と生成 |
Research Abstract |
本研究は第二言語としての日本語の音声習得の過程を解明し,効果的な学習方法を究明することを目標とする。中でも,学習者にとって習得が困難であると考えられる特殊拍に焦点を当て,その訓練方法の確立を試みた。成人学習者の学習方法の一つとして明示的な指導が有効であり,特に,音声教育においては集中的に発音の練習をする必要がある。同様に,日本語学習者に日本語の音声習得を促進,または支援するためには音声的側面に注意を向けた聴取訓練が必要であると思われる。本研究では特殊拍の聴取学習リソースの提供及び学習方法を提案するため,日本語学習者を対象に聴取訓練を実施,その有効性の検証を試みた。21年度には,聴取プログラムを利用した促音語と非促音語の聴取訓練を学習者に実施,その有効性を検討した。聴取訓練は呈示文脈が異なる二つのグループと訓練を受けず,聴取テストのみを受ける一つのグループ(統制群)に分けて実施した。 その結果,以下のことが分かった。まず,韓国語を母語とする日本語学習者は聴取訓練を行うことにより促音の聴取判断成績が有意に上昇した。しかし、多様な発話速度による聴取訓練を受けたグループと固定した発話速度で聴取訓練を受けたグループ間では聴取判断成績上昇率が有意に異ならなかった。このことから、聴取訓練が学習者の特殊拍の習得を促す要因になり得ることが考えられるが、単語のみの聴取判断においては多様な発話速度で聴取訓練を受けても固定した発話速度で聴取訓練を受けても聴取訓練効果の有効性には差がないと推察される。今後、訓練条件とテスト条件を変え,さらに検証を重ねた上,効果的かつ効率的な学習方法を確立する予定である。
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Research Products
(6 results)